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V/f制御とは、モータの磁束を一定にするため、モータ端子電圧(V)と周波数(f)の比を一定にして可変速運転する方法で、インバータの基本となる制御方式です。
今回はインバータのV/f制御に関する内容と、低速運転でトルクを増加させるためのトルクブースト機能について紹介します。

1) V/f制御

V/f制御は、ファン・ポンプなどの2乗低減負荷や軽負荷の機械、複数台のモータを1台のインバータで可変速運転する場合などに用いられます。
可変速範囲が1:10の定トルク負荷となる機械にインバータを適用する場合は、低速域の運転でもモータの温度上昇が抑制されるインバータ用モータなどを併用する必要があります。
また、高い始動トルクを必要とする用途には、インバータ容量を上げるか、トルクを制御できるセンサレスベクトル制御での運転を推奨します。

2) トルクブースト

インバータをV/f制御により低周波数で運転すると、モータがトルク不足となる場合があります。
低速でのトルク不足を補償するために、低周波数でインバータの出力電圧をブースト(増加)させるのがトルクブースト機能です。
特にコンベア、クレーンなどの定トルク負荷では、トルクブーストを高く設定する必要があります。

しかし、トルクブーストを高く設定するとモータの無負荷電流が増加し、モータが過励磁状態となりモータの騒音、振動が増加します。定格負荷で、モータの定格電流を超える場合は、トルクブーストを下げる必要があります。
トルクブーストの調整が難しい場合は、自動トルクブースト機能を使用するか、センサレスベクトル制御に切り替えることにより自動的にトルクブーストが調整されます。

以上、インバータのV/f制御でのトルクブーストについて説明いたしました。
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