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今回は、ギヤモータのカタログに記載されているラジアル荷重とスラスト荷重についてご説明いたします。
◆ラジアル荷重・スラスト荷重とは?
ギヤモータ・減速機を選定する際に、使用条件に対してモータ容量や許容トルクが満たされているかを検討しますが、これらと同時に確認すべき事項に「外部荷重」というものがあります。
外部荷重は様々な種類がありますが、主に検討すべき荷重としてラジアル荷重とスラスト荷重があります。
1)ラジアル荷重について
軸の中心線に対して垂直方向に働く荷重のことです。
簡単な例を挙げて説明すると、水平な出力軸に物体をぶら下げているとその物体の質量分の力が出力軸に対して垂直に働きます。
これがラジアル荷重です。
●ラジアル荷重がかかるときの一例
・出力軸に歯車、オルダム継手、ベルト・プーリ、チェーン・スプロケット、滑車、ドラムなどが取り付けられている場合。
・出力軸で減速機が支えられている場合(トルクアーム使用時など)。
2)スラスト荷重について
軸の中心線に対して水平(平行)方向に働く荷重のことです。
簡単な例を挙げて説明すると、出力軸を軸方向から押し続けた場合に力が働きます。これがスラスト荷重です。
軸受のカタログなどに「アキシャル荷重」という言葉がありますが、ほぼ同様の意味です。
●スラスト荷重がかかるときの一例
・出力軸にはすば歯車や直交軸歯車が取り付けられている場合(ラジアル荷重も同時にかかります)。
・出力軸にボールねじ、スクリュー、ファンが取り付けられている場合。
3)ラジアル荷重やスラスト荷重がかからない状態
次のような場合にはラジアル/スラスト荷重がかからない、または非常に小さいため、計算しなくてよい場合があります。
・出力軸と装置をたわみ軸継ぎ手で結合している場合。
・装置のホロー軸に減速機の出力軸を差し込んで使う場合。
・減速機の出力軸につながる軸が軸受などでがっちりと支持されている場合。
(いずれも装置の軸と減速機の出力軸の軸心が大きくずれていないことをご確認ください)
4)ラジアル荷重とスラスト荷重が同時にかかる場合の計算・確認方法
スラスト荷重をラジアル荷重の相当値に換算して加算し、ラジアル荷重として確認する方法が最も多く使われています。
詳しい計算方法は、カタログの技術資料をご覧ください。
以上がラジアル荷重とスラスト荷重についてのご説明になります。
ギヤモータの選定についてご不明点等ございましたら、お気軽にお近くの営業所までお問い合わせください。