ギヤモータをインバータ運転する場合、短時間で減速して制動させるニーズがあります。
昇降装置・コンベアなど、起動停止の運転サイクルが短い装置にインバータを適用する場合です。
ここでは、インバータの減速停止に関係する回生制動と直流制動の機能についてご紹介いたします。
◆1.回生制動
モータが短時間で減速する装置では回生エネルギーが発生します。
そのため、減速時にインバータ内部の直流電圧が上昇し、過電圧アラーム(OV)が発生する場合があります。
インバータに回生制動回路が内蔵されている機種は、制動抵抗器を接続することにより回生エネルギーを消費できます。
回生制動回路が内蔵されていない機種は、回生制動ユニットと制動抵抗器を接続する必要があります。
制動抵抗器の選定は、制動トルク、制動時間、使用率(%ED)の仕様があるため、使用条件を確認してください。
(制動抵抗器の選定は、インバータのカタログを参照してください。)
制動抵抗器を使用する際の注意点として、制動抵抗器にサーマルリレーを接続して過電流に対する保護をする必要があります。
また、制動抵抗器は回生制動により発熱し、高温となる場合がありますので、設置方法に注意が必要です。
◆2.直流制動
モータを減速停止させるのにインバータの直流制動機能が使用できます。
直流制動はモータに直流電圧を与え、ロータで電力を消費させる制動方法です。
高速から低速までは回生制動で減速し、モータの停止直前で直流制動に切り替えます。
直流制動の開始周波数、制動時間、制動トルクなどのパラメータを設定することにより、低速時に高い制動トルクを得ることができます。
ただし、モータの発熱のため直流制動時間の制限があり、昇降装置など保持トルクが必要な用途には、ブレーキ付ギヤモータを使用する必要があります。
以上、インバータ運転での回生制動と直流制動について説明をいたしました。
お客様の用途に応じた製品をラインアップしていますので、お気軽にご相談ください。
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