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減速機は動力を伝達する機械要素で構成されています。これらの機械要素の機能を最大限に発揮するには、日常のメンテナンスが重要になります。メンテナンスの中で最も重要なのが潤滑管理です。

減速機に合った適切な潤滑管理を行うことで、機能と寿命をご満足いただけるようになります。

今回は、減速機の潤滑管理についてご紹介いたします。

1.潤滑方式の確認

減速機には、大きく分けてグリース潤滑とオイル潤滑があります。

ご使用の減速機が、どちらの方式であるかは取扱説明書、カタログをご覧ください。

不明な場合は、形式とシリアルナンバーを銘板から読み取り、当社までお問い合わせください。

2.グリース潤滑

グリース潤滑の減速機は、出荷時に減速機内にグリースが封入されており、主に小型減速機に採用されています。

その他部分的にオイルによる潤滑が期待できない部位または特殊仕様の減速機に採用されています。

グリース潤滑の減速機にはグリースニップルが装着されており、グリースガンで推奨グリースを定期的に補給する必要があります。

補給方法にはついては減速機により異なりますので、必ず取扱説明書でご確認をお願いいたします。

入れすぎは、撹拌熱による温度上昇、漏れに繋がりますのでご注意ください。

また、機種によっては長寿命グリースを採用しているものもあります。それらにはグリースニップルが装着されておらず、定期的な補給は不要です。オーバーホール時にグリースを入れ替えることになります。

グリースは必ず推奨グリースをご使用いただくようご注意ください。

3.オイル潤滑

オイル潤滑には、オイルはねかけ式の油浴式潤滑とポンプによる強制潤滑があります。

  • 油浴式潤滑

    減速機ケース内のオイルが運転中、細部にはねかけまたはかき上げられることで潤滑する方式です。

    オイル量が重要となりますので、給油は減速機停止中にオイルゲージの油面レベルを確認の上、ゆっくりと油面レベルまで給油してください。

    オイルが少ないと、部分的に潤滑不良を起こし部品損傷が発生することがあります。

    オイルが多すぎると、撹拌熱による温度上昇、漏れに繋がりますのでご注意ください。

  • 強制潤滑

    油浴式潤滑では十分にオイルがはねかけられない場合に、ポンプにより強制的にオイルを送り込む方式を強制潤滑と呼びます。

    強制潤滑方式の減速機にはポンプが外付けになっているものとポンプが内蔵されているものがありますが、いずれも外部に配管が施されております。

    配管が変形していたり、継手部からオイルが漏れていたりすると潤滑不良の原因となりますので、早急に整備する必要があります。

  • 油種について

    当社では、減速機に適した潤滑性能を持つオイル銘柄を推奨しております。

    油種は減速機により異なります。

    これらは十分な寿命テストにより潤滑性能が確認されたものですので、各ご使用の減速機の取扱説明書で油種を確認の上、推奨オイルをご使用ください。

  • オイル粘度について

    減速機の潤滑では、最適な潤滑性能を確保するために、オイルの粘度が重要になります。

    周囲温度が高い場合と低い場合で粘度を変える必要があります。

    詳しくは各ご使用の減速機のカタログおよび取扱説明書をご参照ください。

以上、潤滑についてご紹介しましたが、必ず取扱説明書で内容を都度ご確認いただくようお願いいたします。

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