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★ ギヤモータのインバータ駆動におけるアラームとその対処について
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ギヤモータをインバータで運転すると、負荷状態や設置状況によりインバータのアラームが
発生する場合があります。 
ここでは、代表的なインバータアラームとその対処方法について簡単に説明いたします。

■1.過負荷(OL)アラーム
加速時や低速運転時に、トルク不足で過負荷アラームが発生する場合があります。
インバータ用モータならば、電子サーマル特性を定トルクに設定する必要があります。

また、ブースト電圧の設定が高すぎると、過負荷アラームが発生しやすくなります。
特に0.75kW以下の小型モータは、無負荷電流と負荷電流の差が少ないため、
ブースト電圧の設定に注意が必要です。

 V/f 制御からセンサレスベクトル制御に切り替えて、始動トルクを150%から
200%にアップさせる方法があります。それでも過負荷アラームが発生する場合は、
運転パターンの見直しやギヤ比の変更、または、モータ、インバータの容量アップの
検討が必要となってきます。

■2.過電流(OC)アラーム
過電流アラームは、瞬時に200%以上の電流が発生した場合に発生するアラームです。
負荷の問題とモータ、インバータの要因が考えられます。 

衝撃負荷の場合、瞬時トルクが必要なためインバータ容量をアップさせる必要があります。 
始動時に発生する場合、直線の加減速からS字加減速運転にして、
ショックレスの起動特性とする方法が効果的です。 

モータの地絡、絶縁劣化により、過電流アラームが発生する場合があります。
この場合は、モータの交換・修理が対策となります。

負荷の問題でもなく過電流アラームがリセットできない、またはリセットしても再発する場合、 
インバータ本体の故障が考えられます。インバータの交換、または修理が必要となってきます。

■3.過電圧(OV)アラーム
モータ急減速時に回生動作となり、インバータ内部の直流電圧が上昇して過電圧となる
アラームです。過電圧アラームを防止するには、減速時間を延長するか、回生制動抵抗器を
接続することが効果的です。既に回生制動抵抗器を接続している場合、制動抵抗器の抵抗値と
容量を再検討する必要があります。

また、インバータ部品の経年劣化で、過電圧アラームが頻発して発生する場合があります。
インバータ内部の平滑用電解コンデンサの容量低下により、コンデンサの電圧リプルが増大するためです。
この場合、インバータ本体の寿命となりますので、インバータの交換、または修理が必要となってきます。

■4.過熱(OH)アラーム
連続する過負荷や周囲温度の上昇により、インバータが過熱して発生するアラームです。
インバータ本体に内蔵されている温度センサが動作することで、過熱アラームとなります。
また、負荷や周囲温度が正常でも、インバータの冷却効果が低下している場合に発生します。
この場合、冷却ファンの交換・清掃、もしくはインバータ本体のヒートシンクの清掃が必要です。
合わせて、制御盤の換気を強化し、インバータの周囲のスペースを十分確保する必要があります。

 以上、ギヤモータをインバータ駆動する場合、発生する主なアラームとその対処方法について
説明いたしました。そのほかのインバータアラームも多々あります。
インバータのアラームが発生しても簡単に解決できない場合、本体の交換または修理が必要となる
こともありますので、販売代理店、サービス店等へご連絡をお願いいたします。

 
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