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インバータ運転による漏れ電流とは、PWM制御のスイッチングにより発生する高周波成分による電流で、漏電遮断器の誤動作など周辺機器への影響を与える場合があります。
ここでは、インバータ運転時の漏れ電流を低減させるための対策についてご紹介します。

1.漏れ電流について

インバータ運転時は、入力側・出力側とも高調波成分を含んでいるため、漏れ電流が大きくなります。
インバータやモータの絶縁が正常でも、高調波成分により漏電遮断器や地絡保護リレーの種類によっては、誤動作する場合があります。

2.漏れ電流の対策例

インバータ運転時の漏れ電流の対策を次にご紹介します。
どの対策が有効かは設置状態により異なりますので、確認が必要です。

  • (1)

    漏れ電流の影響で漏電遮断器が頻繁に誤動作する場合は、許容できる範囲で感度電流を増加させるか、インバータ対応の漏電遮断器に交換する必要があります。

  • (2)

    インバータのキャリア周波数を下げることによって、漏れ電流を低減させることができます。
    ただし、モータから発生する電磁音が増加するため、注意が必要です。

  • (3)

    インバータとモータ間が長距離配線の場合、対地とケーブル間の静電容量およびモータの巻線と鉄心間の浮遊容量を介して漏れ電流が発生します。
    この場合、対地浮遊容量の小さいCVケーブルなどを使用し、最短距離で配線します。

  • (4)

    インバータの入出力にゼロ相リアクトルを設置するのも、漏れ電流の低減に効果があります。

  • (5)

    インバータ内蔵のノイズフィルタがある場合、ノイズフィルタの接地スイッチをOFFにします。(ノイズフィルタの接地配線を外します。) ノイズの抑制効果は減少しますのでご注意ください。

以上、インバータ運転時の漏れ電流とその対策について説明いたしました。
当社ではお客様の用途に応じた製品をラインアップしていますので、お気軽にご相談ください。

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