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ギヤモータのカタログに記載されている「SF(サービスファクター)」。
今回は応用的な内容についてよくあるご質問に回答していきます。

1.「SFが1より小さい!これって壊れるの?」

決してそういうわけではありません。まず弊社では、「均一負荷の状態で1日あたり10時間※の運転」という条件を「負荷係数=1.00」と定め、この条件での強度が必要十分な状態を「SF=1.00」としています。
「均一負荷の状態で1日あたり10時間」よりも条件がゆるい場合は、負荷係数が1.00より小さくてもよく、例えば均一荷重で1日あたり3時間の運転では、負荷係数は0.80であり、その場合はギヤモータのSFは0.80以上あればよいということになります。

2.「カタログのSF欄に数値ではなく『*』という記号が付いているのはどういうこと?」

サイクロ減速機のカタログで説明しますと、「SF」の欄に数値ではなく「*」という記号が記載されているものがあり、注釈には運転時の負荷トルクを表中の「出力トルク」以下としてください。とあります。
これは、モータ出力100%の負荷で使用した場合は強度が足りませんが、カタログ記載の「出力トルク」を許容値とし、それ以下で使用するという条件では問題ない、という機種です。
減速機の許容出力トルクよりも大きい出力のモータが付いている理由は、起動時に必要なトルクを確保するためです。

3.「カタログにSFが書かれていない機種はどうなっているの?」

プレストNEOギヤモータ、アルタックスNEOはほぼSF=1.00となるよう、モータとギヤを組み合わせています
(一部、前述の通りモータ出力100%の負荷で使用した場合は強度が足りないため、出力トルクを制限する組合せがあります)。
アステロギヤモータはモータ出力ではなく、ギヤの許容トルクによって選定してください。

4.「SFってギヤモータ以外にも影響するの?」

場合によっては影響します。たとえば運転中にピーク負荷が発生するような機械で、ギヤモータのSFを負荷特性に合わせて大きくし、更にインバータで運転する場合などはインバータにも「SF」を考慮する必要があります。
一般的な緩やかな負荷変動なら、最新のインバータはほとんど問題なく運転できます。
しかし運転中に急激な負荷がかかったり、カム機構があるがフライホイール機構は無いような場合には、運転状況により通常のインバータ選定ではトラブルが生じることがあります。
このような場合はインバータにも「SF」を考慮し、1ランク上の容量を選定するほうが良いでしょう。

SFに関する応用的な説明は以上となります。

SFは機械の負荷特性を検討・考慮するうえで重要な要素であり、ギヤモータ、インバータ、周辺機器等の総合的な設計を行うことに繋がります。
計画、検討や選定時にご不明点が生じた場合は、お近くの営業所や代理店、またはお問い合わせフォームよりお気軽にご照会ください。

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