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ギヤモータは機械装置に幅広く適用されていますが、機械の仕様により一定速運転、または可変速運転で使用されます。
今回はギヤモータの電源仕様と運転方法から、一定速と可変速について説明します。

1.一定速運転

単相電源の場合
単相電源による直入れ(全電圧)始動で一定速運転する場合、単相誘導モータを使用することになります。
単相電源は100V級と200V級があり、アステロギヤモータで6W~90W、プレストNEOギヤモータで40W~0.4kW、ハイポニック減速機で15W~0.4kWの容量を用意しています。
三相電源の場合
三相電源を使用する場合、200V級と400V級に分かれます。
国内標準の三相誘導モータの電源仕様は、いわゆる三定格で、200V級は、200V 50Hz、200V 60Hz、220V 60Hzです。400V級の三定格は、200V級の倍の電圧になります。
三相誘導モータを使用した運転方法について
三相誘導モータを商用電源で一定速運転する場合、小容量のモータは直入れ始動、中容量以上のモータは始動電流を抑制するためにスターデルタ始動が一般に用いられます。
三相誘導モータの容量範囲は、たとえばサイクロ減速機のモータとしては0.1kW~55kWまでを用意しています。

なお、モータのトルクは電圧の2乗に比例するため、定格より低い電圧で運転すると電流が増加してモータの温度上昇の原因となります。
そのため、モータに安定した許容範囲内の定格電圧を供給する必要があります。

2.可変速運転

単相電源の場合
単相電源で単相誘導モータの可変速運転を行う場合、アステロギヤモータ(6W~90W)ではスピードコントローラと専用の単相誘導モータを使用します。
スピードコントローラは、タコジェネレータ付の単相誘導モータによる速度のフィードバックで電圧制御を行います。
電圧制御のため負荷が増加すると速度が低下するので注意が必要です。
三相誘導モータを使用した運転方法について
単相または三相電源で三相誘導モータを使用して可変速運転を行うには、電圧(V)と周波数(F)を制御するインバータを用います。
なお、インバータの電源入力は、2.2kW以下の単相と、0.1kW~55kWの三相シリーズがラインアップされています。
インバータ駆動のギヤモータは定トルク負荷の可変速運転に適しています。
ギヤの減速比は、モータの定格回転数(インバータの基底周波数)が機械装置の定格速度付近となるように選定するのがポイントとなります。

インバータはV/F制御を基本としていますが、モータの電流と位相を瞬時に制御するセンサレスベクトル制御が可能な高性能タイプも用意されています。
センサレスベクトル制御は、始動トルクが150%以上となり、安定したモータの回転が得られます。

以下に弊社が展開しているインバータのシリーズを示します。

(1)V/F制御のインバータ
  • ・ CAI 単相100/200V共用 40W、90W
  • ・ SF-520 単相200V 0.2~1.5kW、三相200V 0.1~2.2kW、400V 0.2~2.2kW
(2)センサレスベクトル制御のインバータ
  • ・ HF-520 単相200V 0.2~2.2kW、三相 200V、400V 0.2~7.5kW
  • ・ HF-430NEO 三相200V、400V 5.5~55kW

以上、ギヤモータの電源仕様と運転方法による一定速と可変速について説明を致しました。
機械装置の仕様と負荷特性に合わせた電源仕様のギヤモータ、インバータを選択することがポイントです。
弊社ではお客様の用途に応じた製品をラインアップしていますので、製品についてお気軽にご相談ください。

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