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ギヤモータをインバータ運転する場合、アプリケーションによってはモータを減速停止させるための制動が必要となります。
今回は、モータの減速停止に関係する回生制動と直流制動(DB)の機能についてご紹介します。
インバータに制動抵抗器を接続しなくても、減速時にはモータの内部損失により制動トルクが10~20%程度得られます。
低周波数領域では制動力が減少するため、停止寸前にはフリーラン状態となります。
なお、減速時間を短く設定するとインバータ内部の直流電圧が上昇し、過電圧アラーム(OV)が発生する場合がありますので注意が必要です。
昇降装置や起動停止が短時間の搬送装置など、回生制動が要求される用途があります。
インバータに回生制動回路が内蔵されている機種は、制動抵抗器を接続することによりモータ減速時の回生エネルギーを消費できます。
制動抵抗器の選定は、制動トルク、制動時間、使用率(%ED)の仕様があるため、機械装置の運転条件を確認する必要があります。
回生制動回路がインバータに内蔵されていない機種は、制動ユニットと制動抵抗器を外部接続することになります。
制動ユニット、制動抵抗器の詳細はインバータのカタログ等を参照してください。
制動抵抗器を使用する際の注意点として、サーマルリレーを接続して制動抵抗器の過電流に対する保護が必要となります。
また、制動抵抗器は回生制動により発熱し、高温となる場合がありますので、周囲温度や設置場所に注意が必要です。
ブレーキ付ギヤモータで回生制動中にブレーキを動作させると、モータ電流が増加して過電流アラームが発生する原因となります。
停止時の保持トルクが必要な場合は、モータがフリーラン状態でブレーキを動作させる必要があります。
モータを減速停止させる方法として、インバータの直流制動の機能を使用できます。
直流制動は、モータに直流電圧を印加しモータを制動させる方法です。
高速から低速までは回生制動で減速し、モータの停止直前で直流制動に切替えます。
直流制動の開始周波数、制動トルクなどのパラメータを設定することにより、低速時に高い制動トルクを得ることができます。
なお、モータの過熱を防止するために直流制動時間の制限があり、保持ブレーキとしては使用できませんのでご注意ください。
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