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今回は、減速機選定の際に考慮する必要のある「SF」「負荷係数」と、 それらを用いた減速機選定の方法をご紹介します。

1.SF(サービスファクター)とは

「SF」は「サービスファクター(Service Factor)」の略であり、「安全率」を意味します。

ギヤモータの安全率とは、ざっくり言うと、モータと減速機の大きさの比率です。

具体的には、モータが減速機を介して出せるトルクに対し、何倍のトルクを出せる能力を持つ減速機を組み合わせているか示します。

モータと減速機の能力(ここではトルク)が同じならSF=1.0、モータの能力に対して1.2倍の能力を持つ減速機を組み合わせるとSF=1.2となります。

これを計算式で表すと、

SF=120N・m(減速機許容出力トルク) ÷ 100N・m(モータが減速機を介して出せるトルク)

SF=1.2

となります。

では、この比率がなぜ安全率と呼ばれるのでしょうか?

大きめの減速機を使うということは、モータに対してより丈夫な減速機を使うことを意味します。

つまり、強度の余裕がある=安全性に余裕がある、ことになるからです。

2.負荷係数とは

負荷係数とは減速機にかかる負荷の目安値です。

値が大きいほど減速機にとって負担が大きいことを示し、小さいほど負担は小さくなります。

減速機は装置に組み込んで使うので、負荷係数は実際の装置の運転状況や性質によって変わります。

サイクロ減速機では、1日10時間、負荷変動がない状態で運転される場合(均一荷重)の負荷係数=1.0と定めています。

これを基準として、例えば減速機をより長時間運転する場合や、瞬間的に大きな衝撃が加わる装置に組み込む場合は、減速機にとって過酷な条件となるため、負荷係数は「1.2」「1.5」のように大きくなります。

例えばサイクロ減速機では以下のように負荷係数が定められています。

用途

 : コンベア

均一荷重用途

 : 1日10時間運転で 【1.0】

重荷重や変動送り用途

 : 1日10時間運転で 【1.2】

3.「SF」と「負荷係数」による減速機選定

では、実際に「SF」と「負荷係数」を用いて減速機を選定します。選定は負荷係数とSFの値を比べて行います。

この時、SF≧負荷係数となる減速機とモータの組み合わせを選べばOKです。

これは運転時間と実際にかかる負荷に対して、減速機の強度が十分または余裕がある状態を意味するからです。

カタログにはSFごとの減速機とモータの組み合わせ、装置やその運転状況ごとの負荷係数が記載されていますので、簡単に選定ができます。

装置の種類や大きさ、使い方により異なります。また、各減速機によって数値の設定が違います。
ご使用になりたい製品のカタログで、負荷係数をご確認ください。

「動力選定」ページでも簡易的な計算が可能です。

https://cyclo.shi.co.jp/apps/power-calculation/

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