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近年装置の自動化が進み、今までは「人の手による作業」だったところも、 サーボモータ制御に代わるケースが増えてきました。
今回はサーボモータに最適な住友のサーボモータ用遊星歯車減速機「IBシリーズ」についてご紹介します。
IBシリーズは、当社が販売するサーボモータ用遊星歯車減速機の製品名で、 「中間のバックラッシ」を意味する「Intermediate Backlash」の頭文字を取ったものです。
当社では、サイクロ減速機をはじめとした通常のバックラッシの製品と、 バックラッシ・ゼロの「精密制御用サイクロ減速機」を従来から製造販売しておりましたが、 「その中間のクラスのバックラッシを持つ減速機」という意味になります。
サーボモータ用の減速機は、汎用の減速機とは異なり、サーボモータ制御に最適となるよう、 バックラッシが小さくなっています。 また、短い加速時間や激しい正逆繰り返しをともなう運転に用いられることが多いため、許容ピークトルクが大きく取られていることが特徴です。
さらに、コンパクト性が要求されるケースが多いため、遊星歯車を用いた同心軸形状が主流となっています。
初期のIBシリーズは、1990年代終わりに当社グループの傘下となった東洋精密造機株式会社(IMT)が製造販売していた小型のサーボモータ用減速機(BK・BL・BMタイプ)の製造販売が当社に移管された際、これらを「MCドライブIBシリーズ」と 命名し、構造・サイズ・性能が異なる3種類の製品を「K・L・Mタイプ」としたものが始まりです。
これら製品の後継品が、当社の独自技術によりお客さまのニーズに合わせて進化を遂げ、現在の製品群に至ります。
ここからは、現在販売している各シリーズについてご紹介します。
遊星歯車を用いた同心軸タイプの小型減速機です。先代の「Pタイプ」をコンパクト化・高強度化したものです。
同等製品ではクラス最小レベルの取り合い寸法となっています。
バックラッシは3分と15分があり、出力軸形状は中実軸のキーレス、キー付と、フランジ軸が選べます。
入力部は各メーカのサーボモータに合わせたフランジをご用意しています。
サーボモータ用減速機の直交軸タイプのニーズを受け、製品化しました。
P1タイプの入力側に強度と静音性のバランスに優れたスパイラルベベルギヤを追加し、直交軸としています。
バックラッシは、6分と15分の2タイプをご用意しています。
同心軸タイプで、P1タイプよりも大きな負荷領域向けに発売された減速機です。
静音性を高めるため、ヘリカルギヤを用いた遊星歯車機構を採用しています。
P1タイプと同様、クラス最小のコンパクトな取り合い寸法となっています。
2018年5月に発売された、最も新しいIBシリーズです。
「コストパフォーマンスに優れた、手軽に使えるサーボモータ用減速機がほしい」というニーズにお応えすべく、 発売しました。P1タイプと同等の負荷領域をカバーする製品で、他のIBシリーズ同様、 各社サーボモータ用のフランジを用意しており、バックラッシは15分となっています。
出力軸は中実軸キー軸となっていますが、キーレス軸としてもお使いいただける強度を確保しています。
手軽に使える製品を目指し、納期も他タイプよりも短納期となっています。
また、他タイプは最長30分定格ですが、PEタイプは連続使用が可能で、 長時間連続用途の多い搬送装置などにも使えます。
IBシリーズは、住友重機械PTC事業部のWebサイトで機種選定ができます。
ご使用予定のサーボモータを入力し、出力回転数または減速比を入力することで、 最適な機種の選定が手軽に行えます。
また、2D及び3DのCADデータもダウンロードできます。
サーボモータと減速機を装置に組み込んで設計されているお客さまは、是非お試しください。
選定が難しい、もっと詳しく選定したい場合は、当社または代理店の営業までご照会いただくか、 Webサイトの「お問い合わせ」メニューにてご相談ください。カタログのダウンロードもできます。
以上、今回は住友のサーボモータ用減速機についてご紹介しました。
今回ご紹介した内容の他、お客さまの用途に応じて、さまざまな仕様をラインアップしていますので、 お気軽にご相談ください。
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