本記事は、メールマガジン配信時の情報です。最新の情報についてはお問い合わせください。

注)「ハイポニック減速機」は住友重機械工業の登録商標です。

直交する2つの歯車がかみ合い直角方向に動力を伝達する歯車機構で、ベベルギヤとウォームギヤの中間的な構造の「ハイポイドギヤ」。

静粛性と高効率、そしてコンパクト性を実現した歯車機構として、自動車の駆動装置や直交軸減速機等に多く用いられてきました。

当社の主力製品の一つ「ハイポニック減速機」は、そのハイポイドギヤを用いたコンパクトな直交軸ギヤモータです。

同心軸タイプのサイクロ減速機同様、長年にわたって多くのお客様にご使用いただいています。

今回は、そのハイポニック減速機の変遷について、ご紹介いたします。

1.ハイポニック減速機の歴史について

当社のハイポニック減速機は1988年に発売されました。

ウォーム減速機に代わる高効率・コンパクトな直交軸減速機として、また平行軸減速機よりも出っ張り寸法が小さくできるギヤモータとして、搬送装置や食品機械等、多くの用途に使われてきました。

ハイポニック減速機は3回のモデルチェンジを行い、代々性能向上やコンパクト化を図りながら現在の第4世代モデルに至ります。

2.歴代のハイポニック減速機について

  • 第1世代(1988~2002)

    初代モデルの発売当初はフランジ取付形と脚取付形の中実軸タイプのみでした。

    モータ容量は0.1kW~0.75kW。1991年に中空軸形を追加し、モータ容量0.1kW~3.7kWをラインアップ。

    併せて、中実軸タイプも3.7kWまで容量を拡大しました(フランジ取付形は1.5kWまで)。

    枠番(サイズ)は20~60の5サイズでした。

    また形式は現行モデルとは異なり、

    中空軸形:RYMF,中実軸フランジ取付形:RMF,中実軸脚取付形:RMH

    となっていました。

  • 第2世代(1993~2006)

    強度アップによるコンパクト化と、モータ容量と減速比による機種組合せを細分化し、枠番は20, 23, 30~60, 63の10枠番となりました。

    また、さらに小型の40W~90Wモデルも発売しました。

    形式は現行モデルと同じ、

    中空軸形:RNYM,中実軸フランジ取付形:RNFM,中実軸脚取付形:RNHM

    となりました。

  • 第3世代(1999~現在(中空軸形は2006年まで))

    第2世代に対し強度アップとコンパクト化がはかられ、減速比300以上の「高減速比シリーズ」が追加されたモデルです。

    また、より容量の小さい15~25Wモデルも追加されました。

    中実軸フランジ取付形、中実軸脚取付形および90W以下の機種はこの世代が現行モデルとなっています。

  • 第4世代(2002~現在)

    中空軸形を中心にさらに性能アップとコンパクト化がはかられたモデルで、発売当初は「ハイポニックNEO」の製品名で販売されていました。

    また、他社に先がけ、サイクロ減速機のように1つのモータ容量に対し2つ以上のバリエーションをもつ「サービスファクタ対応モデル」を用意しました。

    枠番は中空軸形で4桁となっています。

3.ハイポニック減速機の新旧取合寸法の互換性について

中実軸脚取付形は、第2世代・第3世代の軸径と軸芯高、脚部の取合寸法、中実軸フランジ付は第2世代・第3世代の取合寸法に互換性を持たせています。(一部機種を除く)

中空軸形は、出力軸の穴径に一部互換性を持たせていますが、第4世代モデルと旧機種の出力軸と取付穴等の互換性はありません。

トルクアームの寸法見直しなどでご対応をお願いいたします。

4.同じ使用条件で減速機を小さくする場合

ハイポニック減速機は、代々性能が向上しており、先代以前のモデルと比較すると小さい枠番(サイズ)が選定できることがあります。

減速機の小型化が可能ではありますが、出力軸径が以前より細くなっているなど、ご使用条件に応じた強度確認が必要な場合がありますので、カタログでのご確認、または販売店、営業所、お客様相談センターへご相談ください。

5.旧モデルのハイポニック減速機を長年お使いの場合

現在でも初代を含め旧モデルのハイポニック減速機が元気に稼働している機器を見かけることがあります。

ご使用条件やお手入れの状況次第では長寿命も可能な製品です。

しかしながら、旧モデルの部品供給期間は10年となっておりますので、できるだけ適度な年数での更新をお奨めいたします。

旧モデルから現行モデルへの更新は、当社製品取扱いの販売店、代理店、サービス店にお問い合わせください。

キーワードで探す