本記事は、メールマガジン配信時の情報です。最新の情報についてはお問い合わせください。

ギヤモータの駆動に用いられるインバータは、機能向上に伴いPLCやコントローラとの通信を行う 需要が増加してきました。ここでは、インバータで使用できる通信機能について、概要と注意点につ いて知りたいとのご意見がありましたので、そのポイントについて説明いたします。

1.通信機能の概要

インバータの通信機能としては、オプション機能も含め以下の3つです。

  • RS-232C
    一般的なシリアル通信で、主にインバータとパソコンのUSB端子と接続します。 その際、専用ケーブルが必要となります。
  • RS-485/422
    ModbusやMEMOBUSなどのプロトコルの通信に用いられます。2線式と4線式の配線方式 があり、複数のインバータをPLCなどの上位コントローラに接続できます。
  • 通信オプション
    CC-Link、DeviceNet、PROFIBUS-DPなどのオープンネットワークに接続 できる通信オプションです。通信ユニットのタイプと本体にプリント板を実装させるタイプがあります。

2.パソコンやパネルコンピュータとの接続について

インバータとパソコンを接続させるためには、RS-232Cの通信機能を使用します。

パソコンのUSB端子と専用ケーブルでインバータのRS-232C用の端子と接続されます。

専用のソフトウェアは、当社Webサイトからダウンロードしてお使いください。

弊社インバータの通信ソフトウェア
  • HF-520/HF-X20/SF-520用 PC通信ソフト:

    http://tkyec02.shi.co.jp/product/inverter_soft/sdwp001.html

  • HF-430α用 PC通信ソフト:

    http://tkyec02.shi.co.jp/product/inverter_soft/safs001.html

パソコン通信とも言われていますが、インバータのパラメータ設定、ファイル化などの管理や、電流、周波数などの状態モニタ(グラフ機能など)が可能です。

なお、パソコンとインバータは、1:1の接続となります。

PLCやパネルコンピュータなどとインバータを接続する場合、長距離配線が可能となるRS-485/422通信が用いられる場合があります。Modbus、MEMOBUSと呼ばれている通信方式で、2線式か4線式のディジーチェーンで複数のインバータの接続ができます。

接続できるインバータの台数は、RS-485の場合、最大32台、RS-422で、最大10台の 接続が可能です。通信機能を用いるメリットとして正転、逆転信号などのI/O信号の配線が不要と なるため、省配線になることです。また、インバータとギヤモータの運転状態が常時把握できるため、  機械のメンテナンス性の向上につながります。

3.オープンネットワークとの接続について

CC-Link、DeviceNetなどが代表的なオープンネットワークです。

CC-LinkやDeviceNetなどは、専用5線ケーブルを使用し、インバータとPLCを接続します。

ケーブル配線の許容距離は、通信速度(ボーレート)により制限がありますので注意が必要です。

また、ネットワークに接続できるインバータは、最大64台となります。オープンネットワークのメリット として、対応機器を一つのネットワークに接続することができ、一元的に管理や制御を行うことができます。

PLCからの運転指令や運転周波数などの設定や電流、周波数などの状態監視を目的として、 通信機能を使用することになります。

以上、インバータの通信機能について概要と接続について述べてきましたが、機械システムに合わせた 通信方式を選択することが重要となります。

キーワードで探す