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ギヤモータをインバータ駆動する場合には、商用電源で駆動する場合に対して必要な対策や仕様が異なり、注意が必要です。

ここでは、ギヤモータをインバータ駆動する場合の注意点をご紹介いたします。

1.ギヤモータの出力トルク特性

インバータを使用することで、ギヤモータを定トルク特性で速度を変えて駆動することができます。

インバータ用三相モータ(以下、インバータ用モータ)との組み合わせでは、1:10の速度範囲 (6Hz~60Hz)で、60Hz時の定格トルクの連続運転が可能です。短時間では、定格の150~200% の出力が可能です。

低速での連続運転が不要な場合や、負荷トルクが低い場合には、三相モータや三相プレミアム効率 モータの使用も可能となります。

また6Hz以下の運転周波数でも、100~150%の出力が可能ですが、短時間運転が条件となります。 V/F制御での駆動では、トルクブースト調整が必要な場合があります。

2.400V級でのインバータ使用時のマイクロサージ対策

インバータの多くが静音形インバータとなり、インバータ出力電圧のスイッチングが非常に高速 にできるようになったことで、モータ端子部でのマイクロサージと呼ばれる高電圧が発生するよう になりました。

400V級のインバータ用モータでは、このマイクロサージ電圧が従来のモータのサージ電圧耐量を越えるため、故障を防ぐ対策が必要となります。弊社の400V級のインバータ用モータとプレミアム効率モータは、標準で『マイクロサージ対策機能』を搭載しています。 (200V級のインバータ用モータは対策の必要なく使用できます。)

3.モータブレーキの配線は別切り回路

商用電源駆動での普通制動回路では、モータ端子とブレーキの整流器端子を接続すると、モータへの電源のオンオフと同時にブレーキの解放、停止が行えます。

しかし、インバータ駆動の場合、始動時の低速時(低周波数出力時)には出力電圧が低いため、 ブレーキの解放をすることができません。そのためブレーキ電源は、モータ端子やインバータ 出力端子からではなく、インバータの一次側電源に接続する必要があります。

また、ブレーキ電源をしゃ断するには、インバータ運転中などのブレーキ電源をしゃ断する信号 を使用します。

4.ギヤモータのギヤ部の仕様変更

インバータ用モータとの組み合わせによっては、標準製品の仕様と異なるものがあります。

例えばサイクロ減速機では

  • 2段形のグリース潤滑機種の中には、使用グリース銘柄を変更しているものがあります。
  • 立形機種の油潤滑機種の中には、低速運転時の潤滑が十分に行えるよう、プランジャーポンプの駆動仕様を変更しているものがあります。

商用電源仕様のギヤモータをインバータ駆動する場合には、ギヤ部の仕様が異なる場合がありますのでご注意ください。

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