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80 Years CYCLO

サイクロ減速機は国産化80周年を迎えました

--------本サイトは、2019年のサイクロ減速機国内生産80周年を記念して制作した特設サイトです-------- サイクロ減速機は、時代とともに技術革新を重ね、今なお進化を続けています。 私たちSumitomo Drive Technologiesは、これからも動き続けます。

About

1818(明治21)年、愛媛県の別子銅山で使用する機械・器具の製作と修理のために「工作方」が設置されました。これが住友重機械の創業です。
1911(明治44)年に直流電動機第1号機(3.7kW)を製作し、1939(昭和14)年にはサイクロ減速機の国内生産を開始。現在の当社PTC事業部へとつながっています。

2003(平成15)年には、パワートランスミッション事業の国内外グループ会社共通のグローバルブランド “Sumitomo Drive Technologies” を導入。グループ経営を強化し、一貫性・継続性のある事業体として世界を舞台に活動しています。

減速機は、モータなどのスピード(回転数)を落とし、そのかわりに大きな力(トルク)を得るための装置で、世の中の「動くところ」に欠かせない存在です。サイクロ減速機は、独創的な円弧系(トロコイド系)歯車を用いた機構により、優れた耐衝撃性と高効率を実現しています。

※『サイクロ減速機』『サイクロ』は住友重機械工業株式会社の登録商標です。

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  • 製造・組立拠点(国内外)
    41か所
  • 従業員数(国内外)
    6,000
  • 国内累計生産台数(サイクロ減速機)
    1,800万台
  • 減速機シェア(当社調べ)

    国内60  %

    世界10  %

※すべて2019年3月時点

サイクロ減速機とは

1926-

ドイツで生まれた独創的な機構 サイクロ減速機の誕生

1926年、ドイツのローレンツ・ブラーレン氏が、カメラのシャッターからヒントを得た独創的なサイクロ減速機の機構を考案し、1928年には世界各国で基本特許が成立しました。
1931年、同氏はミュンヘン市内にサイクロ社を創設、サイクロ減速機の生産を開始しました。当時のドイツは好景気の最中でもあり、サイクロ減速機の高品質・高性能が認められ、好調なスタートを切りました。

1939-

難航した技術提携交渉を乗り越え、国内生産を開始 技術提携、そして国産化へ

1937年、ドイツでサイクロ減速機を知った当社は、その斬新な機構に魅力を感じ、早速技術提携交渉に入りました。交渉は難航しましたが、無事に契約を締結。1939年、当社新居浜製造所(愛媛県新居浜市)に新設された精機工場で、サイクロ減速機の国内生産がスタートしました。同年夏ごろには試作初号機10台が完成。翌年には立形撹拌機用に採用が決まり、これが初めての受注となりました。

1945-

戦後復興を支えたサイクロ減速機 戦争を乗り越え、操業再開

サイクロ減速機を生産する精機工場は運よく戦火を逃れましたが、終戦後、壊滅状態の日本に減速機の需要はほとんどなく、弁当箱や手押し車などの生活必需品を作りながら操業再開を待ちました。戦後復興が始まると、基幹産業の再生によって需要が生まれ、サイクロ減速機の生産を再開。1949年には当社オリジナルのC形機を発売。日本再建とともに当社の事業にも明るい兆しが見え始めました。

1954-

量産体制の確立、販売網の整備により、国内シェアトップに 高度経済成長とともに

1954年、当社で初めての製販一体の事業部門を発足。1961年には、生産拠点を現在の名古屋製造所(愛知県大府市)に新設移転しました。量産体制の確立と代理店販売制度の導入による販売網の整備が、販路拡大に直結。重工業系産業に限られていた需要が、繊維・製紙など生活関連産業にも拡大し、当社は国内減速機市場シェア1位の座を獲得。サイクロ減速機は日本の高度経済成長を支えました。

1966-

世界シェア10%獲得を目指して 本格的な海外進出

当社は早くから海外展開を進めてきました。60~80年代にかけて、北米・欧州・南米・アジアへと営業展開を加速。世界シェア10%獲得を目標に「W10」というスローガンを掲げ、世界No.1のパワートランスミッションメーカーを目指しました。1966年にアメリカ・ニュージャージー州に現地法人を設立。また欧州では、1974年にドイツ・サイクロ社に資本参加し、実質的な経営権を取得しました。

1984-

精密化・小型化の要求への対応 新たな産業分野への挑戦

1980年代に入ると、日本の産業は重厚長大から軽薄短小へシフトしました。当社は減速機の精密化・小型化への要求に応え、1984年に産業用ロボット向けの精密制御用サイクロ減速機を、1993年にサイクロ減速機の機構を小型ギヤモータに応用したアルタックスギヤモータを発売。日本でトップクラスの変減速機ラインアップを揃える、総合パワートランスミッションメーカーとなりました。

2003-

グローバルブランドSumitomo Drive Technologiesを導入 真のグローバルメーカーへ

2003年、サイクロ減速機の累計生産台数はついに1,000万台に到達しました。国内で圧倒的なシェアを誇り、世界でも10%以上にまでシェアを伸ばしていた当社は、これを機にグローバルブランドSumitomo Drive Technologiesを導入しました。このブランドアイデンティティを掲げることで、ビジネスのグローバル化・ボーダレス化といった事業環境の変化への対応を強化し、グローバルブランドとしての歩みを進めました。

2017-

ソリューションプロバイダーへの変革 未来へ向けた新たな挑戦

近年、ICTの進歩により機械・装置のIoT化や工場のスマート化が進み、減速機に求められるニーズも大きく変化しています。私たちはソリューションプロバイダーへの変革を目指し、商品開発の強化やアフターサービスの拡充など新しい取り組みを始めています。社会・生活のあらゆる場面を動かし支え、社会基盤の高度化ニーズに応えるため、私たちは、これからも動き続けます。

Message

これからも社会・生活のあらゆる場面を動かし支え続けるために

住友重機械が1939(昭和14)年にサイクロ減速機の国内生産をスタートしてから、今年で80周年という節目の年を迎えました。サイクロ減速機が80年もの長きにわたりご愛顧いただけているのも、ひとえにこれまで当社とともに歩んでくださったお客さまやお取引先さま、地域のみなさまをはじめ、多くの方々の厚いご支援と温かい激励の賜物です。心より感謝申し上げます。

サイクロ減速機とともに事業を拡大してきた当社のパワートランスミッション事業は、日本の戦後復興、高度経済成長を支えてきました。現在では、そのラインアップは数W程度の小型汎用ギヤモータから数千kW用の超大型特殊ギヤボックスまで拡大しています。またいち早く海外展開することで、海外でもシェアを獲得。世界に通用する、パワートランスミッションのグローバルメーカーとなりました。

近年、第4次産業革命により、私たちのライフスタイルが大きく変化する中で、労働力不足が大きな社会問題となっています。物流の高度化や工場のスマート化などの取り組みが進み、当社製品に求められる機能、期待される価値も多様化しています。コンポーネントメーカーとして高品質な製品を安定生産するだけでなく、社会・生活のあらゆる場面を動かし支える優れた製品を提供できるよう、商品開発の強化と事業領域の拡大に取り組んでいます。

周辺技術やサービス、サポートといった付加価値の提供を通して、お客さまの課題を解決するモーションコントロールのソリューションプロバイダーとなることを目指して。20年後のサイクロ減速機100周年、さらにその先へ向けて新しい挑戦を続けてまいります。

今後ともより一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

住友重機械工業株式会社
取締役 専務執行役員 PTC事業部長
田中 利治

1926- more information
1926-

サイクロ減速機の機構のヒントとなったカメラのシャッター

1939- more information
1939-

サイクロ社からサンプル輸入した専用特殊工作機械

1939-

サイクロ減速機 国産試作初号機

1954- more information
1954-

グラスライニング撹拌槽駆動用特殊立形サイクロ減速機

1984- more information
1984-

1989年サイクロ50周年

1984-

1993年発売のアルタックスギヤモータ

2003- more information
2003-

2006年に開設したベトナム工場