弊社のブレーキ付モータは、従来の標準効率モータからプレミアム効率モータへのモータの変更に伴い、ブレーキ仕様も変更になりました。
ブレーキ付の標準効率モータなどを、ブレーキ付のプレミアム効率モータに交換、変更してご使用される場合、組合せのブレーキ特性の違いから注意が必要な場合があります。
プレミアム効率(IE3)モータに組み合わされるブレーキ
プレミアム効率モータのシリーズでは新しい形式のブレーキを組合せています。
機械式ブレーキの特性の一つ「ブレーキの動作遅れ時間」があることで、ご使用の機器の停止位置などに差が出る場合があります。
下記にプレミアム効率モータのブレーキと従来のブレーキとの相違点をまとめましたので、ご案内いたします。
1.新形式になりました。
新しくブレーキ形式末尾が”E”の形式となります。
ブレーキ形式
例)プレミアム効率3相モータ0.75KW用 : FB-1E
(標準効率)3相モータ0.75KW用 : FB-1D
2.ブレーキのラインナップに追加があります。
1.1KW用、3.0KW用ブレーキを追加いたしました。
プレミアム効率3相モータ用ブレーキ形式
1.1kW用 : FB-1HE
3.0KW用 : FB-4E
3.インバータ用プレミアム効率(IE3)モータ搭載のブレーキが同容量のプレミアム効率モータ搭載のものと共通になります。容量が同じ場合、どちらのモータも同じ形式のブレーキが搭載されます。
例)0.75KWの場合
インバータ用プレミアム効率3相モータのブレーキ: FB-1E
プレミアム効率3相モータのブレーキ : FB-1E
従来について)
今までの標準効率(IE1)の場合、同じ容量のインバータモータのブレーキは、1容量(1枠)大きいブレーキが組み合わされていたことからの変更となりました。
例)0.75kwの場合
標準効率3相モータのブレーキ : FB-1D
インバータ用モータのブレーキ : FB-2D
(FB-2Dは 1.5KWの標準効率3相モータ用のブレーキ)
4.ブレーキ特性の変更について。
4-1.プレミアム効率モータ搭載のブレーキの動作遅れ時間。
電源を切ってからブレーキがブレーキトルクを発生するまでのタイムラグ、「動作遅れ時間」が長くなります。
普通制動回路(モータとの同時切り回路)での遅れ時間は下記例のように長くなります。
そのため、電源を遮断してからモータの停止までの時間が伸びることとなり、機器の停止位置がずれることとなりますので、ご確認ください。
例)動作遅れ時間の比較
普通制動回路(同時切り) 急制動回路
FB-1E 0.25~0.45秒 0.01~0.03秒
FB-1D 0.2 ~0.3 秒 0.01~0.02秒
FB-5E 1.1 ~1.3秒 0.02~0.04秒
FB-5B 0.4 ~0.5秒 0.01~0.02秒
FB-10E 1.8~2.0秒 0.02~0.04秒
FB-10B1 1.0~1.1秒 0.025~0.04秒
対応方法例)
プレミアム効率モータのブレーキに変更して、機器の停止位置がずれてしまう場合には、次のような方法で改善することができます。
①停止指令の検出用センサー等の位置の再調整
停止指令(電源オフ)のタイミングを早めることでの対応
②普通制動回路の別切回路への変更
動作遅れ時間を短くできるため、従来との差を小さくすることができます。
参考)普通制動(別切り回路)の動作遅れ時間
FB-1E 0.15~0.25秒
FB-5E 0.4 ~0.5秒
FB-10E 0.6 ~0.7秒
③急制動回路への変更(更に動作遅れ時間を短くする場合)
専用の回路への変更になります。
4-2.ブレーキトルク
同等以上のトルク値を有します。
4-3.許容仕事量、ギャップ調整までの仕事量
慣性モーメントの増加に対応できるように、同等以上の値を有します。
4-4.ギャップ基準値、ギャップ限界値
ほぼ同じですが、若干の差のあるものがあります。詳細はカタログ等をご確認ください。
4-5.ブレーキ電流値
ほぼ同様の値ですが若干の差のある機種があります。詳細はカタログ等をご確認ください。
また、急制動回路使用時での推奨電磁接触器や推奨バリスタの仕様、形式は、変更ありません。
詳しくはカタログの「急制動回路使用時の注意点」をご参照ください。