サーボ用減速機の選定の方法について知りたいとのご意見がありましたので、そのポイントについて説明いたします。
サーボモータには高速回転が可能な機種もありますが、サーボモータが適用される機械や装置の回転数は、毎分1回転に満たない場合があります。
この回転数の相違と出力トルクを調整するのが、サーボモータ用減速機です。
サーボで位置決め用途の場合、減速機のバックラッシが問題となりますので、精密用減速機の選定となります。減速機のバックラッシの仕様は、機械の停止精度により決定します。
なお、速度制御で使用する場合、バックラッシがあまり問題とならない用途が多いようです。機械の構成から、平行軸か直交軸の減速機のシリーズから選定することになります。
減速機の入力回転数(サーボモータ回転数)と出力回転数の比が、減速比となります。
減速機のシリーズ化されている減速比から、計算結果に近い減速比を選定することになります。
なお、減速機の許容入力回転数がサーボモータの最高回転数以下であることをチェックします。サーボモータの最高回転数が、減速機の許容入力回転数を超える場合は、減速比の入力をサーボモータの最高回転数として、減速比を計算する必要があります。
負荷特性について検討をします。
機械の運転パターンとサーボモータのトルクから、サーボモータの平均トルクを計算します。
■最大トルクのチェック
サーボモータの最大トルクは、通常200~300%となります。
減速比を最大トルクに乗じた値が、減速機の許容入力トルク以下であることを確認します。
許容入力トルクを超える場合は、減速機の枠番の見直しをする必要があります。
また、サーボアンプのトルク制限機能を使用することにより、サーボモータの出力トルクが制限されれば、減速機の枠番を下げることができる場合があります。
■減速機の負荷率のチェック
運転サイクルが、減速機の許容負荷率以下であることを確認します。
運転サイクルが短くなると減速機の枠番を変更しなければならない場合もあります。
機械や装置の性能と精度に合わせたサーボ用減速機を選定することが、ポイントとなります。減速機の出力軸に加わるラジアル荷重、スラスト荷重のチェックも必要となります。
サーボモータと減速機を組合わせるのに、サーボモータのフランジと軸径に合わせた減速機のアダプタが用意されていれば、簡単に減速機と接続することができます。
特殊フランジのサーボモータの場合は、メーカに製作可否を確認する必要があります。
サーボモータが直結された減速機も商品化されているので、選択肢として考えられます。
以上、サーボ用減速機の選定に際して、そのポイントについて説明しましたが、サーボモータに最適な減速機を組合わせることにより、コンパクトで高性能な駆動装置を実現することができます。
■ 精密制御用サイクロ減速機Fシリーズ
・カタログ
http://cyclo.shi.co.jp/document-download/do-download/document_id/99/
■ サーボモータ用遊星歯車減速機IBシリーズ(バックラッシ3min、15min)
・製品情報
http://cyclo.shi.co.jp/product/contorol/ibp1/
・カタログ
http://cyclo.shi.co.jp/document-download/do-download/document_id/101/
■ サーボモータ用サイクロ減速機(低バックラッシLB 6min、標準バックラッシSTDシリーズ)
・製品情報
http://cyclo.shi.co.jp/product/contorol/cyclo/
・カタログ
http://cyclo.shi.co.jp/document-download/do-download/document_id/122/
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