減速機のカタログに書かれている『減速比』には『実減速比』と『公称減速比』というものがありますが、それぞれどんなものでしょうか?
減速比というのは、ご存知の通り、減速機における入力と出力の速比のことです。
「速比」の場合は、減速比では「回転数が減る」ため、1以下の数字で表されますが、「減速比」は減速される比ですので、その逆数になります。
さて、本題に入りますが、「公称減速比」と「実減速比」の違いは何でしょうか?
まず、「実減速比」ですが、これは減速機内の歯車の歯数から決まる正味の減速比のことで、入力回転数に対し、この数値だけ出力回転数が減ります。
「公称減速比」は本来、お客様に商品をご紹介する場合、「実減速比」を使うのが望ましいのですが、歯車減速機を構成する場合、芯間(歯車軸と歯車軸の間隔)や歯車の歯数が、減速機のサイズに対して比例で用意できない場合があります。このため、サイズによって減速比の組合せに多少の違いが生じることになります。
これらサイズごとに違った減速比を持つ減速機を、ある程度の近似の減速比でまとめ、減速比の数値を丸めて、一くくりの製品群とすることにより、お客様に商品を分かりやすくご紹介しています。
このときの「減速比の近似値群」を丸めた数値のことを「公称減速比」といいます。
例)ある減速機シリーズにおいて
サイズ1:実減速比 35.1325
サイズ2:実減速比 34.5496
サイズ3:実減速比 36.3568
サイズ4:実減速比 33.8956
これらをまとめて「公称減速比:35」
各メーカーによって考え方に若干違いがありますが、多くの場合、実減速比の範囲は公称減速比に対して±5%ぐらいの範囲でまとめられています。
サイクロ減速機(※)には、「実減速比」という言葉が存在しません。
これは、製品の全てが減速比が整数であり、また、サイズに関係なく、減速比が同じであることから、「公称減速比」という言葉もなく、すべてが「実減速比」となっています。
これはサイクロ減速機の持つ独自の機構によるもので大きな特長といえます。
※6000SKシリーズ、低減速比シリーズを除く。
モータの仕様に耐熱クラスの表記がありますが、この表記は以前絶縁クラスで表記されていました。
この耐熱クラスは
周囲温度を40℃とした場合の標準モータ
クラス 温度上昇限度(抵抗法)
E 75℃
B 80℃
F 100℃
H 125℃
銘板に表記されるクラスにはモータ選定時の大きな要素です。
キーワードで探す