住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

商用電源での運転(直入れ運転)やインバータで運転しているモータの減速、停止には、いくつか方法があります。
今回、その中からよくご使用いただく方法をご紹介いたします。

1.電源の遮断、更に電磁ブレーキの使用による停止

 モータへの印加電圧を遮断することで、モータの駆動力が喪失し、モータは惰性での回転(フリーラン状態)になります。負荷トルク(機械などでの抵抗力)に よって減速し停止に至ります。減速時間は負荷(機械とモータ)の慣性、負荷トルクの大きさにより決まります。
併せて電磁ブレーキを使用して停止させる場合は、モータへの印加電圧が遮断された後、電磁ブレーキを動作させることで負荷トルクと制動トルクにより短時間で減速できます。
停止後はそのまま電磁ブレーキの保持トルクにより機械を停止(固定)させておくことができます。

電磁ブレーキの回路には「普通制動回路」「急制動回路」があります。停止位置精度 を必要とされる場合や昇降機械などは、ブレーキの応答時間を短縮する「急制動回路」を適用します。

2.ブレーキパック(アステロギヤモータ用電子ブレーキ)による停止

弊社では、90W以下のギヤモータ「アステロ」シリーズに、インダクションモータとレバーシブルモータに使用できるブレーキパックを用意しています。

1)ブレーキパックは電子ブレーキによるモータの瞬時停止を可能にします。モータ単体の場合、約0.1秒以下での停止が可能です。

2)無接点回路で制御でき、半波整流した直流電圧の印加により定格電流値の7~8倍の 電流を0.2秒から0.4秒ほどモータに流すことで、モータに停止するための大きな減速トルクを生じさせることができます。
但し、停止後の保持トルクはありません。

3)電磁ブレーキと異なり機械的な摩擦がないため長寿命の特長があります。
但し、大きなブレーキ電流を流すことで、モータ温度上昇を伴うため、運転サイクルには条件があります。

注)故障防止のため、電源側に電流検出の保護装置の使用を推奨しています。

3.インバータ駆動による減速と停止、電磁ブレーキとの併用について

■インバータ駆動による減速と停止

インバータ駆動では設定された減速時間により減速停止することができます。
この際、回転しているモータよりもインバータの出力する周波数を下げることでマイナ ス負荷(負荷から回される)のトルクを出力して減速停止します。

ご使用の機械を1項でのフリーラン停止した場合にかかる時間よりも短い減速時間で 減速する場合、インバータの過電圧保護によるエラーが生じる場合があります。
この場合、オプションで用意している制動抵抗器の使用が必要になります。
適用機種により異なりますが、100%制動トルクで1回10秒迄、運転1サイクル中10%の使用率 を用意しています。

インバータが最低出力周波数・始動周波数で出力を停止したあと、慣性によりモータ回転 が継続しすぐに停止しない場合があります。このような場合はインバータの直流ブレー キ機能を使用することでモータを停止させることができます。

この機能は2項で紹介のブレーキパックの動作と同様のものですが、動作させる周波数を 高くしたり出力する電圧を大きくし過ぎると、インバータは過電流によるエラーを生じま すのでご注意ください。保持トルクがありません。電磁ブレーキで保持させる前の 補助的な使用が目的です。

■電磁ブレーキを保持ブレーキとして併用する場合

電磁ブレーキを保持ブレーキ用に併用して使用する場合は、電磁ブレーキの動作タイミ ングにご注意ください。インバータの停止指令に同期させて電磁ブレーキを動作させた 場合、減速中に電磁ブレーキが動作することになり、過電流でトリップする原因と なります。
インバータは運転中出力信号を出力することができます。この運転中信号を用いて 遮断されるタイミングで保持用ブレーキを動作させることが必要です。

但し昇降機など、ずり落ち防止が必要な場合は、低速運転中に保持ブレーキを動作 させるなど別途アプリケーションが必要になりますのでご注意ください。

マイナス負荷、制動抵抗器についてはメールマガジンのバックナンバーVol.1605で ご紹介しております。
電磁ブレーキについても複数のメールマガジンのバックナンバーで詳しく紹介しており ますので併せてご覧ください。

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