住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

ギヤモータのご使用にあたっては、日頃から運転状態を見ておく必要が あります。正常に運転している時のデータを持つことで、いつもと違った事象が 見られた時の良否判断が容易になります。
早めの対応でスムーズに修理や交換の準備をすることができます。
今回は、ギヤモータの日常点検・保守について紹介いたします。

1.音

音質や音量が急に変わってきていないか。異質の音が混ざっていないか。

減速機により音の性質が異なります。特にサイクロ減速機の音色は転がり接触を 用いているため他の一般減速機と比べると特徴があります。

2.振動

振動が異常に大きくなってきていないか 機械に据え付けた状態のギヤモータの振動は機械と据付方法により影響が大きく、 ギヤモータ単体の振動値と異なります。このため、ギヤモータの設置時に初期の 振動データをつかんでおくことでギヤモータの異常を判断する際に容易になります。

機械に設置された状態が初期と同じ条件で変わってきているかを判断します。

3.温度

ギヤモータの温度が異常に高くなっていないか、急に上昇していないか。

減速機部やモータの表面温度で簡易的に点検ができます。
減速機、モータは負荷がかかるほど発熱が大きくなりますが、定格負荷以内での ご使用でも手で触れたりすると意外と熱く感じます。
約60℃ほどの温度で人は手で触れないように感じます。

正常な運転状態で一度表面温度を正しく確認いただいておくと、異常な温度上昇が あった場合と比較ができます。
これらは温度が安定していることが条件です。温度の変動が大きい場合は、 問題を有している可能性があります。

問題のない温度上昇の目安)

・ハイポニック減速機、プレストNEOギヤモータやサイクロ減速機の小さな枠番 6125以下で、表面温度と周囲温度の差は40℃程度以内。
表面温度の上限は最大80℃となります。

・サイクロ減速機の枠番6130以上の大きいものでは同じく温度の差は 60℃度程度以下。ただし、表面温度の上限は最大80℃となります。

4.潤滑油

a)量:運転中は油面位置が変わるため、停止中にオイルゲージにて確認をしてください。

量は多すぎても少なすぎても減速機に問題を起こします。
量が多すぎるとモータ側へのオイルの流入や、オイル漏れ、減速機温度の異常上昇の 原因にもつながります。
量が少なすぎると歯車、軸受を筆頭に内部各部品の潤滑が十分にできず各部品の 故障・破損の原因になります。また冷却能力の不足により異常発熱の原因にもなります。

カタログ・取扱い説明書に概略油量を記載しています。必ずオイルゲージで 油量を確認しながら適正量に合わせてください。

強制潤滑機種などでは、外部のオイル配管、オイルシグナルが取り付けられています。
変形、破損の有無、動作確認をしてください。

b)汚れ:オイルが非常に汚れていないか。

特に初回のオイル交換は取扱説明書に記載の通り早期のオイル交換を実施して下さい。
その後、定期的にオイル交換を行ってください。

また、点検時、オイルに摩耗粉(鉄粉)が多くなったり、粘度の低下等が認められた 場合、状況によってはギヤ部のメンテナンスが必要になります。

c)グリース:弊社出荷時に規定量が封入されていますので、そのまま使用できます。

プレストNEO、ハイポニック減速機、サイクロ減速機の一部などの 長寿命グリースの使用機種はグリースは給脂(補給)も不要です。
(オーバーホールは20,000時間、3~5年毎)

サイクロ減速機などでの上記以外のグリース機種では、定期的に給脂、排脂の作業が 必要です。
取扱い説明書に従い、方法とそれぞれの枠番の指定された補充量を給脂してください。

d)漏れ:ギヤ部、オイルシール部からの漏れやにじみが生じていないか。

特にオイルシールは消耗品となりますので交換が必要です。合わせて適正な油量も 確認してください。
ギヤモータの据え付け、連結等に不具合が発生した場合も考えられますので注意してください。

5.モータ

過負荷状態になっていないかモータ電流値の測定で定格電流値以内であることを 確認してください。

駆動状態が軽負荷にもかかわらず定格電流を超えている場合は、各相の電流の バランスが崩れている場合もあります。
各相の電流値、電圧値の測定することでその原因の判断の材料にできます。

この他に、バランスは取れていても電圧が全体的に高めになっている場合も同様に 電流の増加が認められます。

この様な原因が確認できない場合、長年の使用でモータ巻線の劣化が起こり、 巻線抵抗値のバランスが崩れることが有ります。このため、巻線抵抗値の測定も 点検項目として重要です。
簡単な目安として5%以内の抵抗の差を正常として下さい。
なお、測定はモータ端子箱で結線を外してモータ単体で測定してください。

6.ブレーキ

定期的なギャップの点検が必要です。

特にモータを高速からブレーキで停止される場合や使用頻度が多い場合は注意が必要です。
ブレーキ動作を繰り返し使用することによりライニングが摩耗ですり減り、 可動鉄心と電磁コイル部とのギャップ(隙間)が広がります。

規定値以上のギャップになると電源を供給してもブレーキが解放できなくなるためです。

この他としては、電磁開閉器の接点の荒れも点検項目となります。

ブレーキの寿命は、正しく使用されている状態で、200万回が大よその値となります。
なお、ブレーキの周辺状況等で左右されます。詳細は取扱説明書でご確認ください。


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http://cyclo.shi.co.jp/smt/

点検で異常、不具合が確認された場合は、
お近くの住友精機販売サービスセンターまでご照会、修理のご依頼をご連絡下さい。

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