住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

1.インバータとマイナス負荷

インバータ運転中にマイナス負荷が生じる機械では、マイナス負荷状態(発電機の状態)でインバータにエネルギーが回生されます。
このエネルギーは、インバータ部を通りコンバータ部(直流電源回路:DCリンク) コンデンサに蓄積されます。

このコンバータ回路部に基準値(OV検出設定値、DCリンク電圧の検出レベル設定)以上の回生負荷になると、インバータは「過電圧防止:OV」が働き、 インバータはエラー検出による、非常停止機能が働き、インバータがトリップしてしまいます。

このマイナス負荷は、減速時に多く発生しますが、アプリケーションによっては 一定速時に発生することもあります。
インバータのアプリケーションとしての対応は分けて考える必要があります。

■ 減速時のマイナス負荷

・機械の慣性モーメントが大きく、短時間で減速させる場合にマイナス負荷になります。

・減速時間を長く変更することで多くは解決できます。

・この他に、減速時のマイナス負荷にインバータの機能で「過電圧防止機能」を使用します。
過電圧トリップはしにくくなりますが、減速時間が設定時間より自動的に長くなるような制御が行われるため注意が必要です。

■ 一定速運転時のマイナス負荷

機械の運転特性によるもので、連続回生負荷に対しての回生制動を検討・対策を行う 必要があります。

2.インバータ運転でマイナス負荷が見られるアプリケーションとは

1)ファン・ポンプ(渦巻き型)や混練機などの慣性モーメンとの大きな機械の急な減速時
2)昇降機械の下降運転時
3)連動している機械に引っ張られる様な機構や繰り出し機などの機械(一定速運転時)
4)減速時間が短く、電気的に回生ブレーキを必要とする機械
5)大きな偏芯運動を伴う構造を持つ機械で上死点から下死点に移行するタイミングで発生
6)台車等の減速時

3.マイナス負荷とは

インバータで運転している周波数(同期回転数)より、モータの実回転数が高くなって いる状態がマイナス負荷です。(インバータの運転方向と同じ方向にトルクが発生)

このマイナス負荷状態のモータは交流発電機の状態になっており、インバータ側に 発電したエネルギーが回生されます。
※ 商用電源運転の場合は電源に回生されます。

4.インバータの回生制動機能

インバータは本体とモータを含めて約15~20%の回生制動を見込めます。
インバータ運転中に発生した軽微なマイナス負荷はこの回生制動機能により問題なく 継続運転ができます。
この回生制動機能は電源電圧の変動により多少影響を受ける場合があります。

更に、インバータ本体の回生制動量を超えるマイナス負荷が有る場合、インバータ オプションで回生制動用抵抗器を接続て対応します。
この回生制動用抵抗器は標準として5%EDと10%EDの2種類を用意しています。
(10%を超える様な場合は、ご照会ください。)

■ 回生制動用抵抗器(DBR)を使用する際の注意点
・DBRを使用する際は、インバータのシリーズによりDBR使用のパラメータ設定を必要とするものが有り、注意してください。
・DBRの配線には耐熱電線を使用してください。
・DBR回路の保護にサーマルを取り付けてください。
(詳細はインバータのカタログ゙、取説等を参照ください。)
・DBRは高温となります。取付に注意してください。
・インバータの容量により、DBRの制御回路が内蔵タイプと、外付がありますので、必ず確認してください。

インバータの回生制動用抵抗器(DBR)は発熱するため、通常取付スペースを制御盤の上部に設けます。制御盤の設計時にDBRの使用の有無を検討・確認を行ってください。

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