住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

ギヤモータに供給される電源電圧には、サージやノイズが含まれています。
サージやノイズは、解りにくい現象ですが、何らかの対策をすることにより機器の故障を未然に防止でき、ギヤモータの寿命を延ばすことができます。
ここでは、ギヤモータに関係するサージとノイズについての概要と対策について説明いたします。

1.サージとノイズの違いについて

サージとは、電気回路や電源系統において、定常を超えて発生する過電圧のことで瞬間的な現象です。
サージによりインバータ、モータなどの電気機器は、絶縁破壊や劣化などの影響を受けるため、故障の原因となります。
ノイズは、ランダムに発生し機器に侵入して、機器から出ていきます。
サージとノイズの違いは、電圧レベルと周波数によります。
サージは、ノイズに比べて低周波で高電圧であり、ノイズは、高周波で低電圧です。

2.400V級モータのサージ対策

400V級のIE1モータをインバータで駆動する場合は、モータの絶縁強化が必要です。
インバータ駆動する場合、インバータのスイッチング動作で、長距離配線(20m以上)になるとモータにサージ電圧が印加され、絶縁劣化を引き起こします。
モータ端子電圧のピーク値は、配線長が長くなるに従い上昇し、インバータの直流平滑電圧の約2倍で飽和します。
なお、プレミアム効率(IE3)モータは、絶縁強化されていますので、IE3モータ普及に伴い、この問題は減少していくものと考えます。

3.インバータ駆動のギヤモータ

ギヤモータをインバータ駆動する用途の増加に伴い、ノイズに対する対策が重要となります。
インバータ駆動の場合のノイズは、以下の3つに分類されます。

① 伝導ノイズ
インバータ内部で発生したノイズが、電線を伝わって周辺の影響を与えるのが伝導ノイズです。

② 誘導ノイズ
インバータの入力側と出力が輪の電線に周辺機器の電線や信号線を近づけると電磁誘導や静電誘導によってノイズが誘導されます。これが誘導ノイズです。

③ 放射ノイズ
インバータの入力側や出力側の電線をアンテナとし、空中に放射されるノイズです。

モータとインバータの配線は、4芯ケーブルとして、1本をアースに接続することを推奨いたします。また、ノイズレベルを低減させるには、インバータ本体でのノイズ対策が必要となります。
インバータの入力側と出力側にノイズ対策機器であるノイズフィルタ、ゼロ相リアクトルを接続する方法がありますが、最新のインバータでは、ノイズフィルタ(入力側)が内蔵されている機種もありますので、検討が必要です。

4.ギヤモータのブレーキ回路のサージ対策

ブレーキ付ギヤモータには、交流入力を直流電源に変換する整流器が内蔵されています。ブレーキ電源は、交流入力のため電源系統や電磁開閉器からのサージの影響を受けます。
整流器内にサージアブソーバが内蔵されていますが、エネルギーの大きいサージの場合は、サージエネルギーを吸収できずに、整流器が破損に至る場合があります。
そのため、ブレーキ電源入力にノイズフィルタの設置を推奨いたします。

以上、ギヤモータに関するサージとノイズについて説明いたしました。
サージとノイズ対策を行うことにより、ギヤモータの故障低減につながりますので、検討をお願いいたします。

キーワードで探す