住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

2015年4月からスタ-トしたトップランナーモータ(プレミアム効率(IE3)モータ)も実際の運転に入った工場設備も多いと考えています。
新規設備ではトップランナーモータの特性を考慮した選定、設計が行われ省エネ効果も出てきているのではないでしょうか。
今後、現状設備の修理、メンテナンスや更新を行う場合に、アプリケーションによっては無条件で更新したことによるトラブルや不具合の発生が考えられます。
今回は、その注意点等をご紹介いたします。

1.パラレル運転・連動運転での注意点

商用電源運転や1台のインバータで複数台のモータをパラレル運転・連動運転などの設備では、モータの負荷バランスと、そのギヤモータのすべりを考慮した実際の回転数が重要になってきます。
例えば、パラレル運転しているコンベア、台車で駆動輪の動力を分けている場合、クレーンの走行用や連動させたコンベアライン、設備等では、標準モータとプレミアム効率モータ(IE3)モータのすべり(モータ回転数)の違いにより、既設の設備で各モータの負荷バランスが崩れ、一部のモータに負荷が集中し、過負荷が発生したり、モータ(ギヤモータ)の速度差が変わり、運転や製品に影響を与える可能性があります。
特に、負荷率が高い状態で運転してる場合、モータのすべりの差が影響する可能性が高くなりまが、負荷率が低い場合、モータのすべりの差は少ないため目立たない場合があります。
このため、設備の中の1台だけをプレミアム効率(IE3)モータ更新する場合は必ず運転可能か検討を行ってください。

2.ファン・ポンプ、攪拌機等の注意点

ファン・ポンプ等の機器ではプレミアム効率(IE3)モータになったことで、その負荷率や出力(風量や吐出量等)が増加する場合があり、注意が喚起されています。
機器の動力特性によってはモータのすべりが少なくなることで最終的に動力容量まで変わってしまう場合もあります。

■ インバータ運転を行っている場合(パラレル運転を除く)の注意点

1)従来の速度設定(周波数設定)では速度が高くなる場合があります。特にファン・ポンプや攪拌機等では注意してください。
  従来の運転に合わせて設定速度(周波数設定)を少し下げて運転する必要があります。
2)減速停止時に慣性モーメントの大きな機器では「過電圧アラーム」が出やすくなる場合があります。
  IE3モータはすべりが少なく、モータのロス分が少ないため減速時の回生ブレーキ効果が若干減少します。このような場合、減速時間を長くすることや、回生抵抗器の取付が必要になる場合があります。

3.200V 3.7kW IE3モータとIE1(従来の標準モータ)モータの定格回転数の比較例

今回ご紹介していますプレミアム効率(IE3)モータのすべりは、5.5kW以下の容量で従来のIE1モータとの差が大きくなる傾向にあります。
この中でも、3定格の中で200V/60Hz・400V/60Hz電源運転でのすべりの差が大きくなります。
但し先にも記載しましたように、実際の負荷率が比較的軽い場合は、その差が少ないため、モータ回転数の影響はほとんどありません。

参考)

200V 50Hz 1420rpm(IE1モータ)  →    1460rpm(IE3モータ)
200V 60Hz 1700rpm(IE1モータ)  →    1750rpm(IE3モータ) 
200V 60Hz 1720rpm(IE1モータ)  →    1760rpm(IE3モータ) 

注)モータのすべりはモータkWにより特性が変化します。
   詳しくは弊社のカタログのモータ特性項目、製品のテストレポート等でご確認いただけます。

今回はIE1モータとプレミアム効率モータ(IE3)モータのすべりの特性に起因するトラブルについてご紹介いたしましたが、すでにご紹介させていただいています「始動電流が大きくなるためモータの電磁開閉器の適用を見直す必要が有ること」などの注意点があります。
また、ロータの完成モーメントが増加しています。電源インピーダンスが低くなりやすい、大形の設備や、電源変動があり電圧が高めの場合は十分に注意してください。
プレミアム効率モータ(IE3)モータ採用の際のご質問等をおよせください。

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