住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

減速機とモータが一体となったギヤモータを商用電源で駆動する場合、所望の機械速度となるように減速比を選定する必要があります。一方、適用機械をさらに最適な運転とするため、ギヤモータを可変速駆動する場合が多くなってきました。
ギヤモータの可変速方式として、インバータによる周波数制御が一般的です。インバータ駆動は、オープンループの制御ですが、速度フィードバックによる制御方法もあります。
ここでは、サーボを含めたギヤモータの制御に関して、平易に解説いたします。
※オープンループ:速度センサを用いずにインバータなどでモータ速度(周波数)を制御する方法

1.インバータについて

汎用インバータを用いて、ギヤモータを可変速運転する場合、V/f制御(オープンループ)でギヤモータを運転すると、IE3モータでは 1:10 の定トルク運転が可能となります。
高性能のインバータでは、センサレスベクトル制御が可能となります。センサレスの意味は、速度センサのフィードバックがないことです。
ベクトル制御とは、誘導モータを直流モータのように励磁電流とトルク電流を演算して、電流の位相と大きさ(ベクトル)を制御する方法です。
ベクトル演算には、モータ定数が必要となるため、モータ定数が内蔵されたインバータを選定するか、オートチューニング機能を使用して、モータ定数を推定する方法があります。
この制御方式では200%程度の始動トルクが得られます。
モータ速度の検出が演算のため、速度フィードバック制御に比べ、負荷変動の影響を受けやすくなります。

2.速度フィードバック制御(高性能インバータのオプション仕様)

エンコーダ(パルスジェネレータ)などの速度センサをモータに接続して、速度フィードバックを行うことにより、低速でも安定した速度制御が可能となります。
エンコーダのパルス数にもよりますが、速度制御範囲として、1:100以上となります。
エンコーダ付きのモータを、インバータ運転する場合、センサ付きベクトル制御と呼ばれます。
センサ付きベクトル制御は、インバータのオプションカードで対応できます。
エンコーダのパルス数は、制御性と経済性を考慮して、1000~2000パルス/回転のエンコーダが用いられます。
数十Wの小型ギヤモータでは、速度センサをタコジェネレータとし、専用コントローラでモータの電圧制御を行う方式があります。(弊社製品:アステロギヤモータ)
この方式は、低速になると電圧降下の影響でトルクが低下しますので、小容量のギヤモータへの適用に限定されます。

3.サーボによる速度、位置決め制御

インバータによるギヤモータの可変速では、高速、高性能な用途には、適用できないためサーボモータとギヤを組み合わせることになります。
ロボット、工作機械などの用途では、精密ギヤと一体化させて駆動されます。
弊社のサーボ用ギヤヘッドとして、精密制御用サイクロ減速機Fシリーズ、サーボモータ用遊星歯車減速機IBシリーズがラインナップされています。
一般産業用にもサーボの適用が拡大していて、サーボ用のギヤとして入力ホロータイプのサイクロ減速機、ハイポニック減速機をシリーズ化しています。
サーボの制御としては、速度制御と位置決め制御があり、用途により使い分けます。

1.速度制御
  サーボの速度制御の範囲は、1:1000以上が要求されます。
  サーボモータのエンコーダのパルス数は、2000パルス/回転以上が要求されます。
  一般産業用で、可逆運転があまりなく速度の安定性と応答性を求めた速度サーボで使用される場合があります。
2.位置決め制御
  位置決め制御は、繰り返し精度を要求されるため、ローバックラッシの精密制御用ギヤがサーボモータと組み合わせて使用されます。
  ギヤのバックラッシが大きいと、サーボモータの応答が上げられず、所定の位置決め時間、精度が実現できくなるため、機械の仕様を確認しておくことがポイントです。

以上、ギヤモータとサーボの制御について説明いたしましたが、弊社では、適用機械に最適なギヤモータとギヤをラインナップしています。適用機械の特性を把握し、ギヤモータを選定することが重要となります。

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