住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

1.モータ電流の測定

商用電源で運転される誘導モータの電流測定にはクランプメータが一般的に使用されていますが、インバータ運転の誘導モータのモータ電流値測定はどうされていますか?

皆様からよくお問い合わせ頂く内容で、モータ電流値を測定すると電流値が低いのに、インバータ運転で過負荷運転でアラームやトリップになるというお問い合わせがあります。

広く一般で使用されているクランプメータは商用電源測定用のものが多く、インバータ等の「ひずみ波形」を測定した場合、測定した電流値とインバータ本体のデジタルパネルで表示機能の中の「出力電流」を使い出力電流を表示させた値に差が出ます。

1)低速域の運転でモータ電流値をクランプメータで測定すると、インバータの電流値表示に比べ大幅に低い電流値を指示する。

2)特に6Hz~10Hz付近の運転で測定するとさらに差が大きく出る。

3)60Hz運転では電流測定の差が少ない

等経験をされた方もおられると思います。

従来から使用されているクランプメータは商用電源用(ひずみのない正弦波対応)で、インバータ出力波形のひずみ波形(高調波成分を含むひずんだ波形)を測定した場合正確な値を測定することができません。
特に低周波数域では、特にその差が大きくなり2倍近くの測定差が生じることがあります。
この為、近年では真の実効値を測定する「ひずみ波形測定用」のクランプメータが計測器メーカから発売されています。

最近のセンサレスベクトル制御方式のインバータで運転してしている場合、インバータに組込まれている電流センサ、制御回路等の高性能化が図られ、出力電流値の表示の精度が高く、この表示値を使用して頂けます。
また、インバータのシリーズにより若干の精度差は生じますが、高性能センサレスベクトル型は低速域での測定値も正確に測定出来ます。

また、インバータの制御盤にCT(変流器)を組込みモータ電流値を盤面で従来から運転電流の表示に使用しますが、この場合もCTの容量によっては低速域(おおよそ10Hz以下の領域)で磁気飽和を起こし、測定した電流値の表示は実際の値より少なくなってしまう事があります。

インバータ運転用にオプションで用意しているCTはこの容量を考慮し、商用電源用の選定容量のCTより大きな容量を選定し、低速域の対応を図っています。
但し、更に正確な測定を行う場合、「ひずみ波形対応CT」を採用頂くことで可能となります。

2.モータ電圧の測定

インバータの出力電圧をテスターで測定したら低周波数なのに出力電圧がかなり高く指示された!という経験はありませんか?

インバータの出力電圧は実行値を測定するためには整流形電圧計を用います。高調波を含んだ波形の場合、整流形が基本波実効値に近い値を示します。

その他の実効値測定計では誤差が生じます。またインバータの出力波形は直流電源部(DCリンク)の電圧をIPM(出力波形生成用のパワー素子)でチョッピングした波形であるためそのピーク電圧は、200V級では240V~280Vありこの値を計器で読み込んで表示してしまう事もあります。
このため、使用する計器により誤差が生じます。
この様な場合にも、インバータの出力電圧表示を用いることで正しい出力電圧値を得ることが可能です。 

最近の高性能センサレスベクトル制御方式のインバータをご使用いただいている場合、是非この出力表示機能を有効にご活用ください。

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