住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

日本各地での大雨、雷などのニュースを多く聞きます。
このような時には停電や、瞬時停電などの発生も多くなります。
インバータ運転中に瞬時停電が生じるとインバータは保護機能によりトリップし、モータはフリーラン(惰性で回転)となります。
モータを一旦停止させてからではなく、回ったまま再スタート運転する場合に有用な瞬停再始動機能を今回紹介いたします。

1.瞬停再始動機能について

この機能は瞬時停電の他、工場内設備など大容量機器の起動による瞬間的な電源電圧の低下でインバータがトリップするような場合も使用できる場合があります。

インバータでモータを始動する場合モータは停止していることが必要です。
回っているモータをインバータでそのまま始動すると、モータの回転数に相当する周波数とインバータの出力する周波数が不一致となるため、過大な電流が流れ、インバータは過電流保護機能によりトリップ、もしくは故障に至る場合があります。

例えば30Hz相当で回っているモータをインバータで始動させた場合、モータには30Hzから始動周波数の0.5Hzに急減速させる過大な減速トルク、過大な電流を生じます。

瞬停再始動機能では「すくい上げ運転」により、まず回っているモータの回転数に相当する周波数をモータ端子より検出し、再始動時は、検出したフリーラン中のモータ回転数に合わせた周波数から出力を開始し、さらに再加速して指令周波数で運転復帰します。

2.ご使用の際の注意点

1)インバータの出荷設定では瞬停再始動機能は、選択されていません。
  必要に応じて選択してください。

2)運転指令
  瞬時停電が生じた際、運転指令がオフになると再始動はできません。
  瞬時停電の間、運転指令が入っている必要があります。

3)通常の始動時の動作が遅れます
  始動時に毎回モータ回転数をサーチ(検出)する時間が必要になるため、運転指令がオンしてから0.3秒以上遅れてインバータの出力が開始されます。
  その為、特に昇降装置などへの適用は出来ません。

4)機械の慣性、負荷の条件により不向きの場合があります。
  慣性が小さい、負荷抵抗が大きい機械では、インバータが出力遮断してから短時間でモータが停止する為、一般には瞬停再始動機能を使う必要がない事が多いのですが、ケースによっては「0Hzからの再スタート」を設定して有効なことがあります。

  駆動される機械の特性に合わせて機能の採用をご検討ください。

5)アラーム、異常出力の選択が可能です。
  瞬停再始動の際にトリップ出力を出さないよう設定できます。

6)1台のインバータで1台のモータを駆動する場合に使用できます。
  1台で複数台のモータを駆動している場合は使用できません。

7)モータ配線が長距離の場合はフリーラン中のモータの回転数(周波数)の検出が十分出来ず、すくい上げ運転ができない場合があります。

3.住友のインバータで運転する場合の設定について

インバータ機種で機能が異なりますので次2機種にて「すくい上げ運転」の設定の一例を紹介します

1)HF320α(0.2KW~7.5KW)
 外部からの運転指令FR-COMはオン継続としてください

 パラメータの設定は
 F301:瞬停再始動
    [1:瞬停再始動選択]
    瞬停復電後に自動再始動します。

 F627:不足電圧トリップアラーム選択
    [0:アラームのみ]
    トリップ信号が出ません。

2)HF430(5.5KW~55KW)
 外部からの運転指令FR-COMはオン継続としてください

 パラメータの設定は
 b001:リトライ選択
    [02:リトライ時にすくい上げスタート]

 b002:瞬停許容時間
    [1.0秒]この時間を越える瞬時停電はトリップ、リトライしません。

 b003:リトライ待機時間
    [0.3秒]復電後再スタートするまでの待機時間

 b004:停止中の瞬停・不足電圧トリップ選択
    [00:無効]トリップせず、異常出力もしません

 b005:瞬停・不足電圧リトライ回数選択
    [00:瞬停・不足電圧時リトライ回数]16回まで再スタートします。

 b007:すくい上げ下限周波数設定
    [0.00Hz]回転しているモータの相当周波数がこの周波数以下で0Hz再スタート

※ 詳細は各機種取扱説明書をご参照ください。

キーワードで探す