住友重機械工業株式会社 PTC事業部

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最近、プレミアム効率モータ(IE3)という高効率規格の製品情報を聞かれたこともあると思います。
この高効率モータとはどのようなモータなのでしょうか?
汎用の三相誘導モータと何が違うのでしょうか?
今回のテーマはこの違いをご紹介します。

1.高効率モータとは

存知のように三相誘導モータを運転すると電機エネルギーを動力(モータ回転力)に変換しますが、この時に変換伴う損失が生じます。判り易く力率を省いて見ると
  
■ 入力電力(消費電力)=モータkW÷効率(0.95~0.8:おおよそ)

※ モータの効率はモータの容量により異なり容量が大きくなるにつれ効率は高くなります。

汎用三相誘導モータの効率は、JISで定められた効率値があり、モータメーカは、この効率を超える性能で設計されています。
この汎用モータより効率の高いクラスとして、JIS規格で定めた高効率のクラスと国際基準IEC規格が有ります。

高効率モータは商用電源で運転した時の効率値を対象としています。また現在のJIS規格では日本国内の高効率モータは適用する商用電源として200V/50Hzと220V/60Hzに定められておりこの電源に対して高効率となっています。

海外の三相誘導モータの高効率規制ではIEC規格の IE2 、IE3 が用いられ、海外輸出用に、機械、プラント等でモータを高効率仕様を選定された経験もあると思います。

では、この効率はモータの何の要素によって変わるのでしょうか?

2.三相誘導モータの損失

三相誘導モータの損失は次のものになります。
1.銅損
2.鉄損
3.漂遊負荷損
4.機械損

この各損失分を軽減し高効率モータにするわけですが、まず各損失についてもう少しご紹介します。

1.銅損
  三相誘導モータの一次巻線にあたります。
この損失は銅線の抵抗値により、電圧降下が発生し損失になります。
高効率化する場合、この巻線の線径を太くして、抵抗値を下げ損失の軽減を行います。

但し、抵抗値が低くなることで巻線に流れる電流値は増えます。この為、無負荷電流は汎用モータに比べ少し高くなることが有ります。
2.鉄損
モータ巻線に電流が流れるとその巻線に磁界が発生し、その磁界は巻き線が納められているスロット周辺の固定子鉄心を通り抜け、円状の磁界を作ります。この時に損失としてヒステリシス損とうず電流損が発生します。この損失は磁束密度の2乗で影響する為モータの磁束密度を下げて損失の軽減を行います。

3.漂遊負荷損
モータを運転するとモータの巻線により漏れリアクタンスによる損失が発生します。 
損失の軽減はモータ構造の詳細を詰て、損失の軽減を行います。

4.機械損
機械損はモータの冷却ファンによるもの、回転部の摩擦による損失です。
損失の軽減はファンの形状と冷却能力等から見直すことで損失の軽減を行います。

更に、

・モータの回転子(ロータ)部の設計を変更し効率良くモータの2次側に起磁力が出るように設計を行う方法、

・モータのスロットを特殊形状のスロットに変更する方法

・モータの固定子巻線と回転子のギャップの最適化 

・固定子鉄心の材質変更

モータ容量や各メーカの設計方法により損失の軽減策は多少異なり、高効率化を図っています。

実際のモータの多くは、損失の軽減を銅損と鉄損を主として行われます。
高効率モータは汎用三相誘導モータと比べて効率が高い為同じ定格kWを少ない電力で運転できます。

定格負荷に対して少ない電流値で運転できます、しかも巻線が太くなることで強力な回転磁界が得られ、モータのすべりも減少します。

現在高効率モータは国内外でIE2クラスが主流ですが、2015年以降多くの国でプレミアム効率モータ(IE3)規格が採用される予定です。
日本国内でも2015年からプレミアム効率の規制が予定されています。


プレミアム効率モータ使用時の要点をまとめると次のようになります。
以前にもご紹介させて頂きましたが、ご参考ください

3.プレミアム効率モータ使用時の要点

1.始動トルクが大きくなります。
 300%~400%と従来のモータに比べ始動トルクが大きくなる為、組み合わせるギヤヘッドのSF値や機械側の考慮が必要です。
   
2.始動電流値が汎用モータに比べ高くなっています。電磁開閉器やブレーカ等の定格に注意してください。

3.モータ寸法が標準より大きくなります。

4.プレミアム効率モータのメリットはおおよそ負荷率60%以上で大きくなります。
 モータのご検討の際は、アプリケーションや使用状況、モータ容量等から最適なプレミアム効率付減速機の選定をして頂くために問合せください。

5.起動頻度の多い運転では始動時の電流が大きい為、インバータ等で始動時の電流を軽減する運転を行い、始動時のモータ省エネ対策を採ってください。

6.モータのすべりが汎用モータに比べ少なく、負荷特性が3乗カーブを描くような、ポンプ、攪拌機等の運転では実質装置、機械回転数が高くなり仕事量が増す為、結果として従来に比べ消費電力が増えることが有ります。



CO2削減の為各国でプレミアム効率モータの導入が進んでいます。
プレミアム効率モータ付減速機を是非ご検討ください。
高効率モータ付減速機に関するお問合せは、PTC相談センター(技術窓口)各営業所までお問合せください。

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