住友重機械工業株式会社 PTC事業部

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ギヤモータにブレーキ付きモータのオプションがありますが、ブレーキについての概要、注意点について知りたいとのご意見がありました。
ギヤモータ用ブレーキの使い方、メンテナンスの方法について、以下にそのポイントについて説明いたします。

1.ギヤモータのブレーキ

ギヤモータに直結されているブレーキは、無励磁作動形電磁ブレーキが多いようです。
特長は、ブレーキトルクが安定していて、モータが組付け易く、種類が豊富です。
通常は、ブレーキ電源オンでブレーキが解放され、電源オフでブレーキ動作となります。
可動鉄心(鉄板)が、スプリングバネによりライニングを圧着してブレーキ状態となります。

ブレーキ解放の場合は、可動鉄心が固定鉄心(鉄板)に吸引されます。また、ブレーキ電源を使わずに、手動でブレーキ解放できる機構のブレーキもあります。

ブレーキの種類としては、制動用と保持用に分かれます。
ギヤモータのブレーキは、制動用のブレーキを標準としています。保持用のブレーキは、サーボモータ、ベクトルモータ等の可変速モータに使用されます。

ブレーキトルクは、ライニングの接触面積で決まります。そのため、モータの容量が大きくなると(37kW以上)、ライニングが複数枚のブレーキを用いて、ブレーキトルクを増加させます。
ブレーキトルクは、モータ定格トルクの150%以上で使用されますが、ブレーキトルクを下げて使用しなければならない機械もありますので、ご注意ください。
慣性の大きい負荷を高速からブレーキで止める用途で、ブレーキの許容仕事量を超える場合があります。この場合、制動回数の制限、ブレーキの変更を考慮する必要があります。

2.ブレーキの動作回路

ギヤモータブレーキの電源は、AC200Vあるいは400Vと表記されていますが、ブレーキを解放させるのには、コイルに直流電圧を与える必要があります。
その場合、交流電圧からブレーキ用の直流電圧に変換するため整流器が使用されます。

ブレーキ用の整流器は、モータ端子箱に予め内蔵されているものもあります。ブレーキ解放状態からブレーキ状態とするのには、ブレーキコイルに流れている直流電流を遮断する必要があります。

整流器の交流入力電圧を遮断する方法を普通制動と呼びますが、コイルとモータのインダクタンスのため、ブレーキ電流を完全に遮断するのに、動作時間を要します。
ブレーキの応答を早めるため、ブレーキ電流を直接遮断する方法は、急制動と呼ばれます。
直流電流を遮断するには、電磁接触器が使用されますが、直流電圧と電流の定格に注意して電磁接触器を選定する必要があります。
その場合、接点には、サージ電圧抑制のためアブソーバの接続が必須となります。容量の小さい電磁接触器を使用すると、接点の荒れが生じやすく寿命が短くなります。
電磁接触器は、メーカ推奨のものを使用するか、200万回のブレーキ動作をメドとして容量選定をお願いします。

3.ブレーキのメンテナンス

ブレーキの寿命は、容量により異なりますが、100万回~200万回の動作となります。
 
ブレーキは、使用するにつれライニングが摩擦により減ってきます。ブレーキの保守点検として固定板とライニング間のギャップ調整が必要となります。

最適なギャップ長でないと、所望のブレーキトルクが得られなくなり、制動距離が増します。
制動用として頻繁にブレーキを使用する場合は、ライニングと固定鉄心とのギャップ調整が必要となってきます。長年使用された後で、ライニングが磨耗し、所定のギャップに調整できない場合は、ライニングの交換時期となります。

ギャップ調整の方法、最適ギャップ長は、ブレーキの取扱説明書に記載されていますが、メーカのサービスに調整依頼することも可能です。



以上、ギヤモータのブレーキについて簡単に説明しましが、ブレーキを含めた調整、修理等の詳細についてはメーカに相談されることをお願いいたします。

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