住友重機械工業株式会社 PTC事業部

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インバータ運転時のノイズ発生については「2010年6月号メールマガジン」で状態と対策をご紹介いたしましたが、インバータ等の制御機器は外来サージや外来ノイズ等による影響を受け誤動作をすることがあります。

今回はインバータが受ける外来サージ等とインバータの運転によるノイズ対策を含め総合的にご紹介いたします。

1.インバータ等の電子機器が受ける外来サージの影響

工場の設備には、サージ電圧を発生させる設備が意外に多いものです。
例えば、工場の設備で溶接機は大きなサージ電圧の発生源となります。
このサージ電圧を発生は、溶接機のパワーに影響の大きさが左右されますが、代表的なノイズ源となります。
ソレノイドバルブもノイズ源として工場内に多くあります。
交流モータの直入れ運転などはモータ容量が大きくなると油断が出来ません。
運転用の電磁開閉器の接点が荒れ始めるとノイズ源になってしまうことがあります。

電源設備の自動力率改善設備にも注意が必要です。工場の稼働に合わせ自動で力率の変化に合わせ、コンデンサ量を切替えますが、切り替え時にはサージの発生、瞬間的な電圧変動などが発生します。

工場稼働中に、制御機器やセンサー等が誤動作することはよく有り、一般的に、制御機器や、センサー、モータ運転回路等を収納した制御盤内では、ノイズ対策が施されています。 
しかし、このような状況下でも「たまにセンサーが誤動作する。」、「インバータを含めた制御機器がエラー検出しトリップする。」ということがたまに発生し、確認をしても発生時の負荷状態などが特に異常が無く、原因が特定できないことも多いものです。

2.インバータや制御機器のトラブルは?

サージ電圧や、大きなノイズが発生するとどのような障害が発生するのでしょうか?
インバータ等では、コントロール基板の「CPU」が誤動作したり、誤動作による瞬時過電流エラーや過電圧検出エラーなどが代表的なものです。
また、サージ電圧の発生頻度が過度な場合、インバータ保護用として電源側に取付けられているバリスターなどは故障してしまうことも有ります。

ギヤモータのブレーキ回路に使用されている整流器も大きなサージ電圧を受け焼損することがあり、このサージ電圧に対しては充分な対策が必要となります。

このサージ電圧や大きなノイズは、不定期に発生するものと、機器の運転や、工場の稼働に伴い一定のタイミングで発生するものがあり、インバータ等の制御機器が影響を受けている場合タイミングを掴むことでそれぞれの原因を特定することが大事です。
中には、特殊なケースとして雷サージの影響で誤動作することも有り、状況に合わせた対策が必要です。

3.サージ電圧や大きなノイズの対策

1.サージ電圧の発生する機器、機械との電源を分離し別系統の電源ラインにする。

2.インバータや制御機器の電源に絶縁トランスを挿入する。

3.インバータの電源側にACL(ACリアクトル)を取り付ける。

4.インバータ等の機器の電源側にL/Cフィルターを取り付ける。
  注)インバータのオプション用として用意されているもの。

5.小容量の制御機器、センサー等の電源系にノイズカットトランスを挿入する。

6.雷サージ対策としてアレスタをインバータの電源側に取り付ける。

7.インバータの単独接地を確実に行う。
  注)サージ電圧、ノイズ発生源の接地とは、接地の距離を離します。

8.制御盤内の電磁開閉器のコイルにサージアブソーバを取り付ける。

9.電磁開閉器の接点のメンテナンスを定期的に行う。

10.シールド線のアースが正しい接地を行われているアースに接続されているか。接地が浮いた状態になっていないか。

11.制御盤自体の接地が正しく行われているか確認する。

4.その他のインバータ誤動作の原因

1項~3項に渡り外来ノイズ、サージ電圧の影響と対策をご紹介致しましたが、実際の運転では、シーケンス回路の各タイミングによるトラブルも有ります。
従来はリレーシーケンスにより組まれていた回路も近年では多くの場合、PLC、シーケンサー等が大半をしめ、従来の回路と異なり論理回路を組む場合、リレーによる機械的な遅れ時間(タイミング)が上手く取れづ、トラブルの原因となっていることもあります。



制御機器の誤動作、トラブルは様々ですが「たまに発生するエラー」は普段からの対策によりそのリスクを軽減できます。
技術的なご相談をお受けいたしております。是非ご利用ください。

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