住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

今回は装置をギヤモータで駆動する場合、その装置が定常回転数までになる時間(始動時間)を推定したい場合や、ブレーキ付きギヤモータで停止するまでの時間(制動時間)を推定する場合の計算式を、全電圧始動の場合でご紹介します。

1.始動時間の算出式

ts =(Jm+Jc+Jl)× n/ 9.55 × Ta (sec)

Jm:モータ(ブレーキ部を含む)の慣性モーメント(kg・㎡)
・・・ギヤモータのカタログ参照
Jc:モータ軸に換算したギヤヘッド(減速部)の慣性モーメント(kg・㎡)
・・・ギヤモータのカタログ参照、小型ギヤヘッドは数値が小いためモータ部のみでOKです。
Jl:モータ軸に換算した被駆動装置(カップリング、ぷーりを含む)の慣性モーメント(kg・㎡)
・・・負荷装置の慣性モーメントを算出
n:モータの定常回転数(r/min)・・・60 Hz = 1800 r/min、
50 Hz = 1500 r/min、
Ta:平均加速トルク(Nm)・・・全電圧始動の場合
Ta ≒ 0.8(Ts+Tm)÷2-Tl
Ts:モータ始動トルク(Nm)
Tm:モータ最大トルク(停動トルク)(Nm)
Tl:モータ定格トルク(Nm)
・・・・・カタログ技術資料のモータ特性表参照から算出、

2.制動(停止)時間の算出式

tB ={(Jm+Jc+Jl)× n/ 9.55 ×(TB±TR)}+tD(sec)
Jm、Jc、Jl:上記参照

TB:ブレーキ動摩擦トルク(Nm)
・・・カタログ技術資料参照

TR:負荷の反抗トルク(Nm)・・・負荷装置のモータ軸換算負荷トルク
+:負荷トルクがブレーキとして働く場合
-:負荷トルクがブレーキとして働かない場合(昇降装置の下降時等)
tD:ブレーキ動作遅れ時間(sec)
・・・カタログ技術資料普通制動回路、急制度回路によりカタログから選択します。

3.主な関連算出式

■ 負荷の慣性モーメント(J)の算出例
a)回転軸中心が重心を通る円板と長方形板 形状の回転体の場合
円板)・・・・J= 1 / 8・M・D²(kg㎡)
長方形板)・・J= 1 / 12・M(a²+b²)(kg㎡)
M:回転体質量(kg)、D:円板直径、a:長辺(m)、b:短辺(m)

b)コンベアによる水平運動の場合
J= 1 / 4・{(M₁+M₂)/ 2 + M₃ + M₄ }D²(kg㎡)
M₁:主ドラム(スプロケット)質量(kg)
M₂:従ドラム(スプロケット)質量(kg)
M₃:搬送物荷重(kg)、M₄:ベルト又チェーンの質量(kg)
D :主ドラム、スプロケット直径(m)

c)巻き上げによる昇降装置の場合
J=M₁・D²/4+M₂・D²/8(kg㎡)
M₁:上昇荷物質量(kg)、 M₂:チェーン質量(kg)
D :巻上げドラム、スプロケットの直径(m)

■ 負荷の慣性モーメント(J)をモータ軸換算慣性モーメントの算出
Jl = J(1/Z)²
Z:トータル減速比 = ギヤモータの減速比 × ギヤモータと巻き上げ軸とのスプロケット減速比

■ モータ容量と出力トルクの関係
T = 9550 × kW/n (Nm)
n:モータ定格回転数

上記計算をする時は必ず単位を合わせる事をお願いします。

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