住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

ご使用いただく電動機はその仕様の電圧、周波数の条件で運転が基本ですが、実際には供給される電源、周波数に変動が生じる場合があります。三相かご型誘導電動機で電圧、周波数が変動した場合の電動機に与える影響を紹介いたします。

1.電圧変動の影響

誘導電動機(以下モータ)の性能は、始動トルク、最大トルク(停動トルク)が電圧の2乗に比例し、周波数の2乗に反比例し特性としても影響を受けます。

特に、モータへの配線サイズが細かったり、または配線距離が長い場合は配線抵抗で電圧降下により、供給電圧値に比べモータ端子部での電圧値が大きく低下している場合があり、出力トルクの低下やモータ電流値の上昇、温度上昇の原因になる場合があります。

以下モータ仕様の電圧、周波数値に対する変動率で見てみます。

■ 1-1)電圧が低下した場合、電圧が-10%低下の時
始動トルク、最大トルクは-19% (電圧90%の2乗で81%となる)
始動電流は-10%

更に、電圧が-30% (70%まで低下)の場合
電圧の2乗は49%となり始動トルクは半減するため、始動できなくなる負荷もでてきます。

電圧が低下した場合、トルクがでにくくなることから、定格負荷がかかった場合は定格電流を超える電流を流してトルクを出す過負荷状態となり、温度上昇も激しくなります。

■ 1-2)電圧が上昇した場合、電圧が+10%上昇の時
始動トルク、最大トルクは+21% (電圧110%の2乗で121%となる)
この時の始動電流は110%

励磁電流が増す為、大きなトルクが出る特性になりますが、電圧の上昇による無負荷電流無負荷損失の増加を生じ、温度上昇も生じます。

2.周波数変動の影響

発電機などを利用される場合に周波数変動を受けることがあります。直接には同期回転数が比例して変化します。

■ 2-1)周波数が低下した場合、例えば-5%の場合
始動トルク、最大トルクは+10%程度
始動電流は-5%程度
全負荷電流は微増

■ 2-2)周波数が上昇した場合、例えば+5%の場合
始動トルク、最大トルクは-10%程度
始動電流は+5%程度
全負荷電流は微減

■ 2-3.モータの許容する電圧変動、周波数変動について
電動機が実用上その運転に差し支えない許容範囲として次の値があります。
電圧変動は±10%以内
周波数変動は±5%以内
(この場合、他方の変動はないものとした時のそれぞれの許容値)

ただしこれはあくまで一時的な変動であり、継続して供給される電圧、周波数の許容値ではありません。

安定してご使用を継続でき、寿命も著しく低下させるような影響を受けないとする変動範囲です。あくまで仕様値通りの電圧、周波数の条件としてご使用いただく前提になります。

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