住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

従来運転では、漏電ブレーカが落ちなかった(漏電検出)のにインバータの導入台数が増えてから漏電ブレーカが落ちることが出てきた。
このような状況にはインバータ運転に対する対策が必要です。
また、旧設備のインバータでは問題なかったが、新型に設備更新したら漏電ブレーカが落ちる(漏電検出)することが出てきた。
この様な場合もインバータの新旧の差が影響している場合があります。

今回、対策をご紹介させて頂きます。ご参考にしてください。

インバータをを使用した際の漏れ電流による使用機器の不要動作等への対処

インバータやモータや電線などと対大地との間、および電線同士の間には静電容量というものがあるため、特にインバータの出力電圧の高調波成分によって高周波の漏れ電流が流れてしまいます。
この漏れ電流を対大地間と、各電線間の漏れ電流に分けてお話します。

■ 大地との間の漏れ電流について

インバータの接続されている電源系統だけでなく、接地線を介して別系統の機器への影響を与えることがあります。

この時使用している漏電遮断器や漏電リレー、地絡リレー、センサー等の不要動作を引き起こしたり、CTでの電流検出での異常検出値を示したりします。
この時の対策は・・・

1)インバータの「キャリア周波数」の設定値を小さくします。この場合、モータの磁気騒音が増加します。

2)漏電遮断器には高周波対策品(インバータ対応用)を使用します。

■ インバータの出力配線の線間の漏れ電流について

インバータの出力配線間に流れる漏れ電流の高周波成分によって電流実効値が増加し、外部に接続したサーマルリレーが不要な動作をすることがあります。
特に、50m以上など配線長が長い場合や、400V級の3.7kw程度以下の小容量モータなどのモータ定格電流の小さい機種などでは、モータの定格電流に対する漏れ電流の割合が大きくなるため生じやすくなります。
この時の対策は・・・

1)サーマルリレーはインバータ内蔵の機能「電子サーマル」を使用します。

2)インバータの「キャリア周波数」設定を小さくします。この時、モータの磁気騒音が増加します。

3)サーマルリレーの各相の入出力端子間毎にフィルムコンデンサ0.1μF~0.5μF-1000Vを取り付けます。

■ 一般的な対策方法について

1)使用している配線ケーブルの敷設を大地から離します。

2)インバータとモータ間の配線ケーブルの長さを短くします。

3)対地浮遊容量の小さいケーブルを使用します。IV線に対しCV線を使用するようにします。(対地浮遊容量が小さくなります。)

4)インバータの「キャリア周波数」設定を小さくします。この場合、モータの磁気騒音が大きくなります。

5)シールド線や金属配線管の使用をやめます。この場合、ノイズによる影響、不要動作の発生の場合があります。

6)ノイズ対策には零相リアクトルを使用します。
  長距離配線では、インバータの出力側への挿入が効果が出ます。状況によりインバータの1次側だけでなく2次側も使用することで対策による効果が出ます。

7)インバータ内蔵のノイズフィルタがある場合接地コンデンサの設置をはずします。
  この場合、ノイズの抑制効果が減少します。

8)漏電遮断器の設置はインバータと電源間に設置します。インバータの出力には設置しません。

■ ご参考に 配線による漏れ電流値の計算値例をご紹介します。

・条件:3相3線デルタ結線200V60Hz、電線を大地に密着させて配線した場合

600V IV線、CV線での1km当たりの漏れ電流値
*ただし、CV線は3相一括の値

5.5mm2:IV線99.6mA、CV線32.8mA

30mm2:IV線133.2mA、CV線55.6mA

100mm2:IV線189.4mA、CV線69.9mA

なお、電線を大地から1.5mm以上離して接地した場合上記の数値の約20%に低減します。

ご質問等は「お客様相談センター」までお寄せください

ご紹介させて頂きました「漏れ電流」の対策は、配線時のケーブルの種類も異なりますので、事前検討が必要なものもあります。
また、インバータ対応の漏電ブレーカの採用、零相リアクトルの設置も制御盤設計時の検討項目となります。
ご質問等は「お客様相談センター」までお寄せください。
http://cyclo.shi.co.jp/inquiry/

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