住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

現在の人間社会で、なくては成らないエネルギーは、電気エネルギーです。
その電気エネルギーの発電に 原子力エネルギーか、自然エネルギーのどちらを選択するか日本にとってまた世界にとっても重大な判断を人間社会に突きつけられる原発事故が発生しました。
既に、日本は地球温暖化対策でCO2削減に向けて取組んでいますが、今年は更に電気消費量削減15%に取組まなければ成りません。
身近な事で気が付いた事から各自が省エネ対策を実施して行くことが必要です。

今回は、皆さんの身近にある「三相誘導モータ」のメンテナンスについて述べてゆきます。
モータは「電気エネルギーを電磁力に変換し動力、回転力(トルク)を出力します」用途により各種モータが有りますが、回転磁界型モータの「三相誘導モータ」が産業界で多く採用されているのは、構造が簡単、堅牢、保守に手間が掛からず長寿命であるからです。
このモータを良い状態で使用頂くには省エネになり、日常の点検・保守管理が重要です。

■ 低電圧かご形三相誘導モータの故障状況

原因別順位・・・経年劣化(寿命)>外的要因(外力、浸水、振動、環境異物)>点検修理不良>過負荷、設計製作不良の順位

故障部位順位・・軸受部>コイル部>機械構造部

■ 故障部位の保守について (軸受部とコイル部の故障比率が高い部分)

ここでは弊社55kW以下のモータに使用している密封ボールベアリングについ述べます。
一般的に1日10時間運転の普通環境条件で2万時間または4~5年毎にベアリングを交換することをお奨めします。必ずCMすきま(電動機用深溝玉軸受・・・電動機の騒音、振動対策上ラジアルすき間の範囲を出来るだけ小さくした)の軸受をご使用下さい。

1.ボールベアリングの損傷現象と推定原因と主な検出方法

1)-1 主な現象・・・「フレーキング、異常摩耗、かじり」
   主な推定原因・・・過大荷重、異常スラスト荷重、ケースの加工と組み付け、不良、潤滑不良、軸のたわみ、すべり摩耗
   検出方法・・・振動、摩耗粉

1)-2 主な現象・・・「破損、焼付き」
   主な推定原因・・・フレーキングの進展、過大衝撃荷重、組付不良、潤滑不良
   検出方法・・・振動、温度

1)-3 主な現象・・・「電触、腐食」
   主な推定原因・・・・通電スパーク、結露、水分侵入
   検出方法・・・振動、摩耗粉

2.ボールベアリングの異常診断検出法について

2)-1 振動の検出
振動加速度:振幅や振動速度に比較してベアリングに対する感度は高い
共振形検出器でショック度検出:簡易診断に適するが経験則を要する。

2)-2 音響の検出
聴(検)音棒をベアリング付近に当て異常音を聞き分ける。
*異常音の判定に経験則、個人差がある。

2)-3 温度測定
記録温度計、サーモチェックシート:連続的に温度を計測し、異常温度上昇をキャッチする。

2)-4 金属摩耗粉検出
SOAP法(分光分析) : 感度は高いが分析に時間、費用が掛かる。
マグネットプラグ法 : 費用が安いが感度が低い。グリースには不向き。

ベアリングの身近な診断方法は従来より聴音棒で判断する簡便な方法で実施していますが経験則が必要で、個人差が有ります。
科学的把握をご要求される場合は振動変位による各種診断をご検討下さい。
サイクロギヤモータのモータ部ベアリング交換作業には若干のノウハウが有ります。
各種製品の取り説に明記しております弊社指定サービス店にご依頼下さい。



次回はモータ故障部位の2番目に多い故障の「コイル部分のメンテナンス」について取り上げたいと思います。

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