住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

工場の電源で皆様は省エネ対策と合わせて力率改善対策を行われていると思います。交流モータ使用の設備では一般に各モータに力率改善コンデンサー(進相コンデンサー)を設けたり、大元の電源設備で自動力率改善用機器を用いたりしていると思います。

近年では交流モータをインバータ運転する設備も多くなり、工場の負荷モータ、制御機器、その他)により個々に細かく対策をとる必要が出ています。機器の電源部に整流回路やSCR(サイリスタ位相角制御)がある場合、入力電流波形に「ひずみ」が生じ、このひずみの状態により、力率が変ります。
このため、波形改善を行う必要があり、具体的には2010年10月号でご紹介致しましたACL(交流リアクトル)やDCL(直流リアクトル)をインバータに接続し対応します。
また、電源のひずみには高調波が含まれるため、力率対策に加え高調波の影響によるトラブルも考慮が必要です。

■ インバータの力率

インバータの力率は、通常の力率計による測定では誤差が大きく、正しい値を測定できません。 この為一般には計算による方法が取られています。その計算としては
入力力率(%)=入力電力÷(√3×入力電圧×入力電流)×100

※ 入力電流:三相平均の実効値で求めることが出来ます。

従来の測定方法では約100%を示していても、インバータ運転では60Hzで100%負荷の状態でおおよそ 70%程度で、無負荷に近い状況では50%近くまで下がってしまいます。

■ インバータの力率対策

インバータの力率改善はインバータの1次側にACLを挿入して対策する方法とインバータ本体の端子台のP1-P(DCリンク接続端子)にDCLを挿入する方法があります。
通常対策の効果は、ACL<DCL となる物が多くオプションで用意されています。 また、ACL+DCLを行われる事がありますがこの場合電圧降下量が多くなる為十分に注意が必要です。
この他にも、複数台のインバータをまとめて1個のACLで対策した例を見ますがインバータの運転が常に全数にならない場合は個々にDCLを挿入することをお勧めいたします。

注)DCLは外付けになりますが、インバータの電源回路の一部としての構成となります。
この為、専用に電気的定数が設定されています。
DCLは各機種用の専用オプションをご使用ください。
また、取付位置もインバータから離れるとノイズトラブル等の要因となります。

■ インバータなどの整流負荷が発生させる高調波によるトラブル

無対策のインバータや、SCR制御機器、整流負荷の増加により、高調波成分が増した状況下の力率改善コンデンサ等は高調波の影響により、異常加熱や劣化を起こします。 この為、進相コンデンサーに直列リアクトルを取付けて使用されますが、原因となる高調波を軽減することが重要です。
また、この他にも高調波の増加に伴う電気機器の発熱や、力率の低下によるトラブルも無視できません。

以上からインバータの高調波対策としてもACLまたはDCLの取付が重要となります。
現状は、インバータにACL・DCLが取付けられていないケースは多く存在しています。
是非一度ご確認ください。



*ACLとDCLの違い、使い分けは2010年10月号でご参照ください。
 http://cyclo.shi.co.jp/newsmail/201010.html

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