住友重機械工業株式会社 PTC事業部

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インバータ運転を行う場合にインバータの周辺機器選定で迷ったことはありませんか
度々御紹介させていただいていますACL(ACリアクトル)とDCL(DCリアクトル)の違いを今回は掘り下げてご説明いたします。


ACLは以前力率改善(高調波対策)と電源からのサージ等が考えられる場合、インバータの1次側(電源側)に取付けることで効果が得られことをご紹介しました。
また、インバータの2次側(インバータとモータ間)に取付てインバータ運転時のモータ騒音軽減対策や、一部サージ対策用(専用ACL)として使用することもあります。


□ACL

1)インバータの容量に比べ電源容量が10倍で500kVA以上の場合

工場でインバータを設置しギヤモータ、モータを運転する際、その電源設備環境により電源直下にインバータが取付られた場合、インバータ故障や、インバータの寿命が著しく短くなったりすることがあります。

これは、大容量の電源からの給電のためインバータの電源(DC電源部:コンバータ部)に過大な充電電流が流れ込み破損の原因と なるためです。  
インバータ内部には充電電流の制限抵抗が組み込まれていますが、防ぎきれないほどの過大電流の為です。
この様な場合、電源とインバータ間の配線で十分な線路インピーダンスが得られないためのものでACLを取付けることで対策できます。

2)電源電圧の不平衡率が3%以上の場合

電源電圧の相バランスが崩れている(不平衡率3%以上)場合、インバータの故障やインバータ運転時に不具合が発生します。インバータ本体の電源入力部は整流回路であり回路のインピーダンスが低く電源電圧バランス不平衡の影響をそのまま受けてしまいます。
この場合もACLを取付けることでACLのインピーダンスにより、インバータ電源部に流れる電圧の不平衡が改善されます。
ただし著しい不平衡電圧はACLで対応しきれないことがあります。

3)急激な電源電圧変動がある場合

電源電圧の急激な変動は電源設備からの発生や、自動の力率改善設備、また、大型のモータ起動によるものなど多いものです。
急激な電源変動が発生した場合、インバータは「過電圧異常」や逆の「不足電圧」などのエラーを検出してしまうことがあります。
この様な場合にも、ACLを取付けることで、対策することが可能です。
ただし著しい電源変動はACLで対応しきれないことがあります。 

注)ACLは標準的な仕様として電圧降下値(%インピーダンス)が3~4%の物が多く、電圧降下を生じます。電源電圧が低い場合は更に電圧が下がる為ご注意ください。
なおこの値はインバータに定格電流値が流れた場合のもので、ACLはインバータの容量に合わせるのが通常ですが、インバータの容量を上げた組合せでは、運転するモータ容量がACL選定の基準となります。



・工場内で電源設備から遠く離れた設備等では2)や3)が生じるケースもよくあります。ケースに合わせた対策の実施以外にも検討が必要なことがありますのでこの様な場合はご照会ください


4)騒音対策は通常インバータの機能、性能設定で「キャリア周波数」で行いますがサージ対策も含め更に出力側用のACLを取付ける対策を行う事もあります。

但しモータ端で電圧降下が発生するため負荷特性等の検討と、電線サイズや配線距離の影響も含めた検討を行います。

注)400V級のモータをインバータで運転する場合に問題になるマイクロサージの対策はインバータ運転用のモータの適用または、汎用モータ運転の場合、専用のマイクロサージ対策用フィルターを使用します。
電線サイズや配線距離の影響も含めた更に検討を行う場合があります。



  --- メモ ---

電源電圧変動は±10%ですが、あくまでも変動であり、常に電圧が定格値と異なる場合、電圧にあわせた専用モータ等が必要な場合があり、注意が必要です。
この電圧変動はモータに対して大きな影響を及ぼします。
モータのトルクは電圧の2乗に比例するため、選定したモータが実際の運転で十分なパワーを出しきるには電圧降下や電圧変動を十分に対策することが重要となります。
特にACLをインバータの2次側で挿入する場合に注意が必要な理由はこの電圧降下が起こるためです。

*定トルク運転では6Hz運転時に2~3%電圧降下のケーブルサイズが目標値となります。


多くのトラブルは事前に回避できます。 安全で安定した運転を行うためにご確認ください。

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