住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

可変速モータの代表的なものとして直流モータが様々な機械やライン等に小容量から数百KWまで幅広く使用されています。
今回は直流モータの置換用として汎用インバータの適用範囲でご紹介します。

■インバータ化のメリット

   1)直流モータの整流ブラシ、ブロアーのフィルタのメンテナンス解消ができます。

   2)インバータの多機能搭載で従来の直流制御時の周辺のコントローラ機能(多段速、電流信号4-20mm変換器、運転信号検出、外部アップ/ダウン信号運転機能など)を内蔵し、省スペースな制御盤が可能です。

   3)運転時、エラー時のモニター情報機能の充実
     エラー発生時の情報履歴、詳細情報の確認が可能で運転中の電流値や電力、トルクなどモニタも豊富です。

   4)耐圧防爆環境等でもインバータと組合せて受検合格した三相誘導モータのためメンテナンス性に優れます。

   5)サイクロ減速機等のギヤモータの組合せで運転できるためアプリケーションが豊富です。
     *モータ単体での運転はAFモータで運転できます。
      (AFモータ:住友重機械 インバータ定トルク運転用モータ)

   6)インバータ化による力率改善(ACL又は、DCL 取り付け)SCRサイリスタレオナード制御(DCモータドライバー)の位相角制御に比べ改善できます。

 

■直流モータ運転とインバータ運転比較

   1)直流モータの制御仕様で記載されている1:100の速度制御とインバータ運転の比較

     実際に運転を行っている速度範囲は意外に1:20~30程度の場合が多いものです。
     極低速の速度は生産運転前の準備等で使用することもあります。
     ご検討の際はご照会ください。

     現在の最新センサレスベクトルインバータは1:100も可能な機種もあり、更にオプションの速度F/B運転で更に広い範囲でも対応可能な機種(HF430シリーズ)もあります。

   2)始動トルクと運転中のトルク
     直流モータは通常、定格トルクの150%が最大トルクになっています。
     センサレスベクトルインバータは始動時、定格トルクの約200%、運転中の最大トルクも同様の値であり、通常のアプリケーション において問題ありません。

   3)トルク制御での比較
     直流モータ制御の大きな特長の一つであるトルク制御はトルク制御精度面でセンサレスベクトルにそのまま置き換えるには向いていません。
   トルク制御精度のより高いベクトル制御での更新検討になります。
     トルク制御では十分な検討が必要なことも多く注意ください。

   4)速度応答、負荷変動への応答は内容に合わせ、ベクトル制御とセンサレスベクトル形の使い分けで注意が必要です。

   ●HF430シリーズ(センサレス制御運転時) 

    制御範囲  1:120
    制御精度  ±0.5%

    注1)標準のAFモータを運転した場合、最低周波数は6Hzとなりますので注意してください。
    注2)1:120の運転の場合、軸流ファン付AFモータの適用となります。
      ご照会ください。
    注3)オプションの速度F/B時は制御範囲が更に拡大します。
      専用のモータ適用(軸流ファン仕様のAFモータ+エンコーダ付)になります。

   ●HF320α(センサレス制御運転時) 

    制御範囲  1:60
    制御精度  ±1%

    注1)標準のAFモータを運転した場合、最低周波数は6Hzとなりますので注意してください。
    注2)1:60の運転の場合、軸流ファン付AFモータの適用となります。
      ご照会ください。

   ●インバータで更新する場合の注意点 

    1)標準の三相誘導モータ全閉外扇形の場合
      商用電源駆動用の汎用モータ 1:10 但し逓減負荷運転(連続運転)
      インバータ運転用AFモータ   1:10 定トルク運転(連続運転) 

     *弊社の汎用モータとHF320α、HF430シリーズを組合せセンサレスベクトル運転を行った場合、汎用モータでも連続運転時の運転可能な連続トルク特性(負荷率)が改善されます。
      特性はカタログ等に記載しております。是非

    2)HF430のオプションの速度F/B運転で3.7kW以下の場合
      ご照会ください。
    3)サーボ用途には適しませんので注意ください。   
    4)60Hzより高い周波数域の運転(定出力運転領域)でのセンサレスベクトル運転時の精度は変りますのでご照会ください。

    5)ギヤモータの運転で60Hz以上の高い周波数域を運転する場合、ギヤーの許容入力回転数の上限があるため注意してください

■直流モータの仕様

   直流モータの多くは速度F/B(フィードバック)運転をしています。
   一般的な仕様としては次のようなものです。

    例 最高回転数 1750r/min 4P 定トルク運転の場合

      ・速度精度 ±0.5%(但し100r/min以上)

      ・制御範囲   
        ・DC TG 付  1:100  最低回転数は30r/min
        ・AC TG 付  1:100  最低回転数は100r/min 

        実際の組合せでは、DC TG付が大多数です。 
        この他に電圧F/B、1:30も有ります。

       ・過負荷耐量 1分間150%

       ・運転方向 一方向 (可逆運転用対応製品もあります)

・標準で速度制御を使用しているため、インバータへ置き換えする場合速度制御を必要とされる場合が多いと思います。
一般的な直流モータ制御の場合、低速域の100r/min以下では速度制御精度が下がり、実用域として100r/min以上で使用されているのが普通です。

・従来のインバータへの置き換えでは、高性能タイプのインバータとそのオプション機能のPG F/B + モータはインバータ運転用で1:10の変速範囲で行われてきました。
また、PG付(またはエンコダ付)を組合せ、負荷の比較的安定した機械への適応することもありました。 

この様なアプリケーションの例で押出機への適応では V/f制御運転で始動トルクを確実に得るためにインバータ容量をモータ容量に対して上げて運転することもありました。
また、センサレスベクトルインバータの初期は特殊用途用で高価なため、汎用として採用するには至りませんでした。
最近の汎用インバータの高性能シリーズはセンサレスベクトル制御方式となり、直流モータ制御の更新として採用可能となってきました。
初期のセンサレスベクトル制御タイプに比べ性能が向上し、更に汎用インバータとして使い易くなっています。 

住友重機械のインバータでは、HF-320αシリーズ、HF-430シリーズがセンサレスベクトル制御方式のインバータです。(旧AF3100、AF3100αも同等です)
HF-430シリーズではオプションでPG フィードバック運転が出来ます。
PG F/B を行う場合は、モータも専用タイプとなりますので注意ください。

直流モータ運転の更新時に最新のセンサレスベクトル方式インバータのご検討をしてみてはいかがでしょうか。

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