住友重機械工業株式会社 PTC事業部

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  SHI-Direct vol. 905    2009/05/28
 

    5月 Webサイト 新着情報


    技術情報
         低速域のギヤモータのインバータ運転


        
                       http://www.shi.co.jp/ptc/
                       Sumitomo Drive Technologies




 

  ■技術情報
 
   --- 低速域のギヤモータのインバータ運転 ---

       三相誘導モータをインバータで運転する場合の注意点として、低速域
   6Hz前後の周波数についてお問合せを頂きます。
   内容は、インバータ運転用のAFモータ(AV)と汎用モータの場合のケースです。
   
   ● ギヤモータのインバータ運転 (6Hz前後の運転) ●

   汎用インバータの運転ではV/f制御運転が多く使用されています。
   その制御範囲は1:10で6Hz~60Hzですが、どうしても3~5Hzを使いたい
   と、お問合せを頂くことがあります。
    この様な場合、台車等で停止精度を上げるための目的が有ります。
   停止間際で極低速運転し、急制動回路を組んだメカブレーキで停止させる
   物ですが、短時間運転(~10秒程度)であれば可能です。
    但し、問題が少々あります。
   小容量(0.1kW~0.75kW)モータでは極低速でトルクがうまく出ないことが
   あります。このため、低速でトルクを出すために「トルクブースト」機能の調整
   を行い、運転を可能にしますが、このトルクブーストは負荷量が変ってしまった
   場合、都度調整が必要になることがあります。
    また、V/f制御運転の場合負荷が大きくなるにつれ、モータのすべり量も
   増えて、想定したモータの回転数より回転数が低くなったり、また逆に
   負荷が軽い場合モータのすべり量が少なくなり、モータの回転数が高目
   になってしまいます。
    特に小容量のモータではモータの”すべり”が多いものが一般的であり
   負荷の大きさでモータの回転数が大きく変動します。
    
   例えば、
   0.2kW 4P 200V/60Hz のモータの場合

   負荷:25% では”すべり”は約1.5%
   負荷:100%では”すべり”は約6.5%   
  
   となりその差は5%で90回転も変ります。
   運転周波数が 4Hzの場合、同期回転数は120r/minで
   100%負荷    →  25%負荷ではモータ回転数は
   約 3r/min  → 90r/min と大きく変化します。
   従って4Hzで短時間運転を行い、100%負荷に近い状態になった場合
   実際のモータ回転数はかなり低くなってしまいます。
   また、負荷変動幅が大きければ停止精度を上げる目的で極低速運転
   したはずなのに速度バラつきが発生し、思うような結果が得られないことに
   なってしまいます。

    ではどの様にこの問題を解決したらいいのでしょうか!

   現在では高性能センサレスベクトルインバータがラインナップされています。
   このセンサレスベクトルインバータは速度制御的に使用することが出来る
   ため、極低速運転でも簡単に安定した運転が出来てしまいます。
     
   例) AFモータ(住友のインバータ用モータ) + HF320α・HF430シリーズ
       
      この組合せで運転した場合、4Hzで負荷率100%でも、負荷率25%でも
      一定の回転数で運転できます。
       また、この時のモータ回転数は、誘導モータの同期回転数となります。

      つまり、4Hz指令に対してモータ回転数は120r/minとなり負荷状態に
      関係なくこの120r/minで運転出来ます。
      速度指令に対しての再現性が高く、安定した運転で計画当初の
      結果が得られ易くなります。


    *HF320α・HF430シリーズはセンサレスベクトル制御運転モードを搭載
     しています。このモードは常にモータの負荷状態を検出し、インバータに
     内蔵しているAFモータの電気的定数をベースにリアルタイムで最適な
     モータ制御を行います。 この時インバータは負荷量に見合ったモータ
     のすべり回転数(Hz換算)を基本周波数に加え見かけ上同期回転数で
     運転されます。また、その運転精度は±1%精度であり安定した
     性能を得られます。
     
     注)AFモータの容量とHF320α・HF430シリーズの容量が同一であれば
       インバータに搭載されたAFモータのデータを使用し高性能な
       運転が簡単なパラメータ設定で出来ます。
       またオートチューニングと異なりAFモータの電気的定数を直接  
       使うため、モータの性能を最大に引き出すことが出来ます。 

   他の方法としては、例えばサイクロ減速機の減速比を大きくした選定を
   行い、極低速(3~6Hz)運転を6Hz以上の周波数で運転できるように
   すると共に、高回転域(従来60Hz付近で運転していた領域)を
   定出力運転域を組み合わせて対応する運転もあります。
   この場合、定出力域での運転は出力トルク低下するため、事前の検討が
   必要です。また、組み合わせる減速機により許容最高回転数があるため
   確認が必要です。
         
   住友のサイクロ減速機はモータと減速機の組合せパターンが
   豊富で選び易く機械特性によっては、こちらのアプリケーションが便利な
   ケースもあります。


   *運転精度±1% → 速度制御精度で60Hzの速度(周波数)が基準に
                 なります。



   ----- まとめ -----

   1.三相誘導モータのV/f制御運転では、負荷量に合わせモータの”すべり”が
    発生し、低速域での運転では特にその影響を受けやすい!

   2.小容量のモータは一般的にモータの”すべり”が大きいためアプリケーション
    によっては注意が必要となる。

   3.AFモータ(AV)+HF320α・HF430シリーズの組合せでセンサレスベクトル制御
    運転を行うと簡単に速度制御ができる。また、この時のモータ回転数は同期
    回転数となり、運転精度は±1%(HF430は±0.5%)となり安定した運転が
    得られる。

   4.サイクロ減速機のAV仕様はモータと減速機の組合せが豊富であり減速比を
    大きく取り、運転周波数を60Hz以上の定出力運転域で使用することができる。
    このため多様なアプリケーションに対応できる。



   住友のギヤモータ、センサレスベクトルインバータは多様なアプリケーション
   に対応可能です。また、海外仕様も対応できます。
         


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