住友重機械工業株式会社 PTC事業部

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ギアモータとインバータのメンテナンス

ギヤモータのメンテナンスを日常行って頂いていると思いますが、インバータ運転で使用していることも多く総合的なメンテナンスと異常時の判断が求められることもしばしばあります。
今回はこの様な場合のメンテナンス、異常判断についてご紹介いたします。

通常ギヤモータのメンテナンスは「減速機部」と「モータ部」になりますが、ギヤモータとして一体化しているため異常時の見極めは色々な要素を整理しなくてはなりません。


<減速機部>
詳細は取扱い説明書に記載してありますが、日常点検、定期点検としては下記のようになります。

1.潤滑油の量と交換、グリスアップ、汚れの点検、運転時間等による定期交換時の汚れの状態確認

2.ケースからのオイル漏れ

3.振動、運転音の異常有無

4.運転時のギヤ部の表面温度の異常な発熱

5.据付ボルトの緩みや、チェ-ンやベルトの張り具合


<モータ部>

1.モータの運転時、電流値の異常な増加

2.モータの運転時、異常発熱、振動、異常音

3.モータ内蔵ブレーキ部分でブレーキ動作確認

4.モータの相間抵抗値のバランス異常、モータの絶縁抵抗値の劣化

5.ファンカバー開口部の目詰まり


<電源・運転回路>

この他にも運転回路の電磁開閉器の接点の状態(荒れ、劣化の有無)や、電源の相間電圧のアンバランスの有無、電圧降下の変化や電源のひずみの状況など。
代表的な項目を記載しましたが、いずれも日常の点検でいつもの運転状態を把握しデータとして持つことで、きめ細かなメンテナンスが実施できます。



◆ 日常点検や、定期点検で異常が見つかった場合、オイルシールの交換、軸受けの交換、更にギヤー部品等の交換などの対応が必要となりますが、ギヤモータの部品交換は機種等により、弊社サービス店または弊社工場での交換修理となります。詳しくは、サービス店、相談センター、営業所等にお問合せください。

更にインバータ運転が加わると!

  

インバータ運転では更に点検も増えてきます。

1.インバータは制御機器であり設置された周囲の環境によりの不具合が発生することがあります。このため、夏場や梅雨時の温度や湿度も注意が必要です。
2.インバータ運転でインバータの内部部品の中で消耗部品があります。
電源を直流電源に整流した後の「平滑用コンデンサ」、インバータ冷却用の「冷却ファン」があります。
・平滑用コンデンサの交換は通常5年が目安ですが、インバータの周囲温度が高くなると平滑用コンデンサの劣化は早まります。また、インバータ運転時の負荷率が低い場合はコンデンサの寿命が長くなる傾向にあります。
頻繁なインバータ電源側の電源ON-OFFを行うような場合もコンデンサーの劣化を早めます。

・冷却ファンは2年~3年が一般的な交換の目安ですが、インバータの運転時間などでも寿命は変ります。

ギヤモータやインバータに異常が発生した場合!

インバータ運転で運転中に「過電流保護」、「過負荷保護」、「電源電圧不足」、「温度異常」などのエラーが生じた場合

1.過電流検出 
長年使用したインバータとギヤモータの組合せではギヤモータかインバータの不具合か迷うところですが、インバータの場合ギヤー部の振動や異常音、異常発熱を伴わない場合、インバータの消耗部品である「平滑用コンデンサー」の劣化に原因があることが多くみうけられます。
この場合、平滑用コンデンサーの交換が必要となります。 

また、モータが劣化した場合もインバータでは「瞬時過電流検出」や「地絡保護」が働きます。
この様な場合モータの点検で各相間抵抗値のバランスが5%以上になっていないか?相間電流がアンバランスになっていないか?絶縁抵抗値は正しいか?ご確認ください。

2.過負荷保護
普段の運転状態で内容が変らないのに、「過負荷保護」が働く場合の多くはギヤモータの不具合の発生した場合や、機械側の不具合による場合ですが、インバータの「平滑用コンデンサー」が劣化してくると負荷率の高い状態では電流が高くなることがあります。この様な場合は注視すると機械や、ギヤモータに微振動のような状態が確認されることがあります。

3.電源電圧不足
インバータの「平滑用コンデンサー」が劣化してくるとよく出る現象です。
電源電圧を測定し通常の電圧であれば、コンデンサーの劣化が考えられます。
但し、このエラー発生がある一定の条件の時のみ発生する場合、例えば周辺のモータ起動による瞬間的な電圧降下が発生していることもあります。

*簡単に不具合がインバータかギヤモータかの判断を行うにはインバータ運転を商用運転に変えてみてギヤモータの振動や発熱を確認する方法があります。 但しこの場合、200V/50Hz電源地区でインバータ用のモータを運転していたり、汎用モータをインバータ運転していた場合に比べ、商用電源運転時の電流値は高くなりますが、このこと自体は異常ではありません。  ギヤモータかインバータの不具合かを手早く判断し対策を行ってください。

モータが劣化した場合!

モータが劣化した場合もインバータでは「瞬時過電流検出」や「地絡保護」が働きます。
但しこの様な時は、モータを点検すると、各相間抵抗値のバランス崩れが5%以上になっていたり、相間電流がアンバランスになっていることが有ります。更に絶縁抵抗値は正しいかの確認や、モータの結線や、端子箱の中での結線部分の絶縁テープ等でピンホールで地絡していたり、どこかに異常な状態を確認することができます。
また、長時間運転して、モータが高温状態になるに従い絶縁劣化の影響で地絡のような状況になることもあります。

モータの絶縁劣化は急になる場合(急激な過負荷による劣化)以外にも長年にわたり徐々に劣化することもあり、長年使用したモータはオーバホール等で点検をお勧めいたします。

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