住友重機械工業株式会社 PTC事業部

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2回にわたりメカブレーキをテーマにしましたが、今回はインバータ使用時の電気ブレーキ(抵抗回生ブレーキ)をご紹介します。
インバータ運転時の電気ブレーキには大きく分けて2種類有ります。

1.抵抗回生ブレーキ(回生制動)
減速時に有効なブレーキ機能で停止時間を短縮することができます。

2.DCブレーキ(直流制動)
インバータ運転時の停止極低速域(例:3Hz以下の速度域)などではモータ回転が流れてしまい「ピッタリ停止」しないことがあります
この様な場合DCブレーキを使うことで解消できます

インバータの電気ブレーキはどの様なものでしょうか!

◆インバータの抵抗回生制動とは?

インバータの電気ブレーキはほとんどのものがブレーキトルクとして約15~20%を使用できます。
このレベルでも十分にブレーキ機能を活用できるアプリケーションも多いと思いますが、20%を越え、本格的に電気ブレーキを使う場合、カタログの仕様に「回生制動、発電制動等」の機能を搭載したものを選定します

インバータ運転の回生制動(抵抗器回生制動)は減速時や昇降機の下降などに働き、この回生制動が働いている場合モータは発電機となっています
    
インバータの運転周波数<モータの回転数 の場合

この時発電された電力はインバータに戻ってきます。  
このインバータ内部のDCリンク部(直流電源部)に戻ってきた電力でDCリンク電圧が上昇し、そのまま上昇を続けると減速中過電圧検出しインバータ保護のため減速時間を長くなるようコントロールされます
更に電圧上昇するとトリップします。
このDCリンク部に戻ってきた電力を回生ブレーキ用抵抗器(DBR)を使い熱エネルギーとして消費させることで大きな回生制動を得ます。
また、このDBRの動作をコントロールする機能を内蔵しているインバータがHF-320αシリーズ、HF-430シリーズです。

*HF-430シリーズの15kW以上は回生制動ユニット&DBRは別置きのオプションになります。

◆DCブレーキとは? 
このDCブレーキはインバータ運転時、停止間際でモータ回転が「流れるような状態」をモータ軸を瞬間的にロックしてブレーキをかけピッタリと止めることができます。
これは三相誘導電動機に直流電流を流し回転子で電力を消費させる制動方式で制動力は約20%程度です。

インバータの抵抗回生制動アプリケーション

◆前月まで機械式ブレーキについて取り上げましたが、インバータの回生制動は大きなメリットを加えられます。

メカブレーキで停止する場合、高速からいきなりブレーキがかかり機械系にその影響がでる場合があります。
また、これを避けるためモータをフリーランにして惰性で停止する方法もありますが、この場合、負荷状態により停止時間にバラツキが出て使いづらい事も有ります
この様な場合、インバータの回生制動を利用することで、スムーズに低速域まで減速させその後メカブレーキで停止をかけ機械系に停止時のショックを与えません。
更に最新のインバータは減速カーブのタイプも複数搭載しており、S字カーブなどの加減速カーブや減速時間の切替モード搭載のものなど豊富にそろっています。
特にセンサレスベクトル制御インバータでは負荷の多少に関係なく速度制御的な運転ができますが、このタイプと組み合わせることで常に安定した加減速時間と低速域での運転速度の再現性と安定性が得られ、生産、搬送等に用いることで品質と生産タイムの品質を上げることができます。
代表的なアプリケーションとしては、昇降機械、台車、等が有りますが昇降機械は下降時のブレーキングモードで、台車は停止時の減速モードに
また、慣性モーメントの大きな機械への減速時間の短縮用途などがあります。

既設のインバータを更新する場合の注意点

抵抗回生制動を利用していたインバータの更新について

旧機種の回生制動機能搭載タイプのインバータは小容量では回生ブレーキ用抵抗器用制御回路とDBRが搭載されている場合が多く、容量の大きいインバータでは回生ブレーキ用コントロールユニットは外部取付のオプションになります。
シリーズが新しくなるにつれ、回生ブレーキ用の抵抗は外部取り付けでオプションになっています。

注)以前のインバータではインバータに回生ブレーキ用の抵抗が内蔵されていたものがありました。(例AF-500シリーズ等)
最近のインバータは従来の機種より小型化され回生ブレーキ用抵抗器が外部取付になっています
この為設備更新等で既設のインバータを置き換える場合は回生制動を使用している場合DBR(オプション)の別置き取付が必要です。
また、この場合DBRの仕様についてはご照会ください。

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