住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

■工場出荷設定のまま運転していませんか?

皆さんのご利用されているインバータは現在大きく分けて2種類のタイプに分けられます。
そのタイプは
1.V/f制御方式
2.センサレスベクトル制御方式

これは以前にも掲載しましたが、センサレスベクトル制御方式インバータにもこのV/f制御方式の運転モードが搭載されており、多くのメーカは、工場出荷時の設定はこのV/Fタイプになっています。
ご存知でしたか?
センサレスベクトル制御タイプを購入したのにどうも変だ!と思ったら制御方式の設定を確認してください。
購入したままの設定で運転して
1.始動トルクが足りない。カタログ記載のように出ない!
2.無負荷状態なのに電流値が高い!
3.負荷変動すると速度が変わる(すべりが変わる)
    
こんな経験はありませんか?
これは工場出荷時の設定のまま使用したため、センサレスベクトル運転ではなく、V/F制御設定のまま運転された為です。
     
センサレスベクトル制御方式のインバータなのになぜ工場出荷時にV/F制御になっているのでしょうか?

汎用インバータでは、組合せ運転するモータも汎用性を求められます。
このため、工場出荷設定では、定格電流値以内であればモータのメーカや種類(2極、4極、6極)など比較的広い範囲に適用できるV/F制御方式を標準設定としています。

ただし、V/F制御の「トルクブースト」と呼ばれる低速域のトルク補償量はインバータメーカによりが異なります。この為、ご質問を頂く内容で

1)小容量の誘導電動機で無負荷なのにモータの電流値が定格を超えてしまう。(ブースト量が多い場合)
 
2)運転してトルクが足りない。(カタログの説明のように出ない)(ブースト量が少ない場合)
    
1)、2)についてはブースト量を調整することでスムーズな運転をすることができます。
このブーストが最適になっているか?の判断で一番簡単な見方はブーストを調整し最適になった場合、多くは電流値の下がるポイントがあります。
出荷時の設定から±どちらかに変えることで確認できます。
負荷に最適な電圧になってトルクが効率よく出ているため電流が下がります。

この様に便利なV/F制御ですが、このブーストによる補償では負荷がよく変わる多品種用のコンベアラインなどでは低速や、始動トルクの補償を都度負荷にあわせ調整する必要があります。 
この様な運転、負荷特性の場合、センサレスベクトル制御を積極的に利用してみてください。  
    
センサレスベクトル制御の大きな特徴としては、一般には高始動トルク・高トルク運転が得られることが知られていますがもう一つの大きな特徴として速度制御を行うことができます
この制御は、負荷の変動に関係なくモータ回転数を維持します。
過大で急峻な負荷変動は除きますが、一般的な負荷の変動ではモータのすべりを発生せず負荷変動の影響を受けにくく安定した運転を得られます。
また、前に書いた無負荷時の電流値オーバもセンサレス制御運転では最適コントロールで無負荷時には電流値は負荷にあわせ下がります。

// この様な特長を生かし //
    
モータに加わる負荷が無負荷に近い状態から定格まで変動する機械、装置や多品種を生産するような(負荷変動がある)コンベアラインや、撹拌液の量が変わる撹拌機、低速域を利用する機械(すべり量が運転周波数に大きく影響するような使い方)など多くの機械で、センサレスベクトル制御の良さを発揮できます。
是非センサレスベクトル制御インバータをお持ちの方はセンサレスベクトル運転になっているかを確認してみてください。生産ラインの品質向上や生産計画量の精度アップ、など多くのメリットを生みます。

*センサレスベクトル制御を行う場合、運転するモータの特性(モータ定数)をあらかじめ、設定しておく必要があります。
当社製AFモータ(定トルクモータ)の場合、出荷設定でモータ定数が設定されていますが、その他のモータを組合せる場合は、モータ定数を設定頂くか、オートチューニングを実施いただく必要があります。   
  
*センサレスベクトル制御では、複数台のモータを運転することはできません。

*電子サーマル特性について
インバータの出荷設定では汎用モータに対応した低減トルク特性となっています。
定トルクモータを使用する場合は定トルク特性に変更ください。
低速領域でモータ定格電流以下でも過負荷トリップする場合があります。

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