住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

インバータ運転の基礎知識 3 / インバータ運転時の基底周波数と出力トルク

■インバータ運転時の基底周波数と出力トルク

インバータの設定を行う場合、必ず基本パラメータに出てくるのが「基底周波数設定」です。
大まかに言うと「定トルク制御領域を決めるためのパラメータ」です。
一般に工場出荷時、基底周波数は60Hzで設定されており、そのまま使用した場合、200V/60Hz、220V/60Hzの運転になります。
   
200V/50Hzで運転していた既存のモータや機械をインバータで運転し最高周波数の50Hzで比較した場合、インバータ運転の場合基底周波数は60Hzのため、約20%トルクが下がります。

T=(974×kW)/N   
N:基底周波数50Hz 1450rpm → 基底周波数60Hz 1750rpm 

Tは単純に1450rpm:1750rpmの比率で減少します。
  
既存の設備をインバータ運転に切り替えた場合に発生するトルク不足の原因の1つはこの為です。
この為、ギヤモータの減速比やプーリ等の変速比を調整(減速比を大きくする)する必要があります。

◆基底周波数を変えると!
基底周波数を60Hzより高くすると出力トルクは比例して下がります。
例えば、基底周波数を100Hzとした場合、上記の計算から 定格電圧200V/100Hz 約1900rpmでそのトルクは半分になります。
この様な特殊設定を行うものとして、二乗逓減トルク特性の機械に用いることが有りますが、多くのインバータにはファン、ポンプ用の運転モードが搭載され、これを選択します。
一般の機械で、この様な設定を行うとほとんどの場合トルク不足によるトラブルを引き起こします。

◆基底周波数は変えずに最高周波数を上げて運転!
一般に、60Hzを超える周波数の運転には、基底周波数を60Hzのままにして、最高周波数を上げる設定の「定出力運転」を行います。
基底周波数までは、定トルク運転で制御され、基底周波数の60Hzより高い周波数域では周波数の上昇に伴いトルクは減少し定出力運転域になります。  
    
実際の三相誘導電動機では、機械損(風損、摩擦損等)やその他の損失分が増し、計算値よりトルクが小さくなることが有ります。
高い周波数(最高周波数)での運転では選定トルクに十分な余裕を設けて選定することが必要です。

*特性カーブはインバータのカタログまたは、
PTC Web>製品情報>HF-320α、SF-320α を参照ください。
   
*高周波数(高回転での運転)による運転を行う場合、高回転用の専用モータと専用インバータを用います。 
   
   
■関連情報:
技術情報マガジン バックナンバー
「インバータの定トルク運転」はVol507号に掲載いたしました。

キーワードで探す