住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

2004.09号で汎用モータのインバータ運転について記載いたしましたが、今回久々にテーマアップします。

最近では汎用モータをインバータで運転することも珍しくないと思いますが、ここで皆さんから頂きますご質問の中からお話し致します。



Q1.
汎用モータの銘板に記載されている定格表をご覧になり、50Hz/200Vの仕様でインバータの基底電圧と基底周波数を設定しても良いのでしょうか?


A1.
汎用モータをインバータ運転する場合は、出力トルク特性を逓減トルク特性で使用する必要があります。
また、汎用モータのモータ銘板に三定格が記載されておりますが、50Hz/200V基底の場合、50Hz運転時を含めトルク低減が必要となります。
インバータ運転の場合は、基底周波数は60Hz(200V/60Hz、220V/60Hz)でのご使用を推奨します。
 
理由:一言では、運転時の発熱によるものです。

インバータの出力電流には、基本波成分のほかに高調波成分も含まれておりこの高調波電流のほとんどはトルクには寄与せず無効電流となります。
モータ定格の中で一番熱的に厳しい200V/50Hzで定格トルクの運転をした場合、高調波成分による電流分の発熱がモータの温度上昇限界をオーバすることとなるため、出力を低減した運転をする必要があります。
では60Hz基底の場合はどうして問題ないのでしょうか?
出力一定で三定格を考えた場合、定格トルク、定格電流、冷却効果の関係から50Hz基底が熱的に一番厳しくなり、50Hz基底に合わせた熱設計されています。
60Hz基底の場合、50Hz基底に比べ熱的に余裕があるため、高調波成分を含めても50Hz時の電流値以内となり運転可能となるわけです。

特に最新のセンサレスベクトルインバータでは出力波形が改善されており60Hz基底とした場合、低速域でも定トルク運転が可能となっていますが、極低速域では自冷式ファンでは冷却能力が不足するため、各メーカでインバータ専用モータの使用を推奨しています。
センサレスベクトルインバータには汎用モータデータがコントロールCPUに搭載され最適運転が可能になっているものも有ります。
お使いになっているインバータをご確認ください。



Q2.
軽負荷で運転されている400V級汎用モータをインバータ運転しても問題ないでしょうか?


A2.
軽負荷であっても、モータが焼損する可能性が高くなります。
以前「マイクロサージ電圧によるモータ焼損」でご説明いたしましたが400V級のインバータから出力される電圧の立上がり時のサージ電圧が汎用モータの絶縁を劣化させ破損に至るものです。
このサージ電圧は負荷に関係ないものであり、十分な注意が必要です。

通常、絶縁強化された汎用モータを使用するか、インバータ専用モータを採用することとなります。
現在400V級汎用モータをそのままインバータ運転している方は要注意です
モータ絶縁が劣化している可能性があります。
また、マイクロサージ電圧によるモータ焼損は、稼動後数ヶ月の内に集中することが、特長です。



Q3.
汎用モータの銘板に記載されている定格電流値以内でインバータによる運転(変速)をした場合問題はないでしょうか?


A3.
インバータで運転(変速)を行った場合、速度(周波数)に関係なくモータの定格電流値以内で運転すると定トルク運転に近い状態となりモータ焼損の原因となります。
汎用モータをインバータ運転する場合運転周波数に合わせて電流値も変えて、A1に記載した用に通常逓減トルクの運転を行う必要があります。
逓減の特性はインバータ、モータ容量等により多少異なりますのでインバータのカタログ、技術資料等でご確認ください。 

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