住友重機械工業株式会社 PTC事業部

PTCワールドワイド 住友重機械工業株式会社

インバータのカタログ、取説で発電制動又は回生制動と呼ばれている機能について今回とりあげます。以降回生制動として扱います。

三相誘導電動機と発電機

電力発電の三相誘導発電機はよく知られていますが、この発電機とインバータ運転時のモータ発電は同様にとらえられます。
一般の電力発電では他励方式のかご型三相誘導発電機をモータの「すべり」が負となるように外部から、水力や蒸気などを用いてモータを回転させることで発電を行いますが、インバータ運転でもこのすべりが負になることがあります。
一般には、インバータによる運転で急激な減速や慣性モーメントの大きな機械での減速、停止時等や昇降装置の下降時などでモータは発電状態になります。
これは丁度すべりが負になっている状態です。  

インバータ運転での回生制動

回生制動は、通常駆動力として用いている電動機を発電機として作動させ、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収することで制動をかける電気ブレーキの一手法で、回生ブレーキとも呼ばれます。
インバータを用いた運転では、減速、停止時等や昇降装置の下降時など電動機がインバータの出力周波数より早い速度で回転または、負荷に回されている状態で発電機の状態になります。
このとき、運転周波数を維持しようとする力(引き戻そうとする制動トルク)が発生します。
この制動トルクによるエネルギーが発電エネルギーとしてインバータに返還されます
この電気エネルギーを専用回路で吸収または、主電源に返還することにより回生制動(電気ブレーキ)として機能します。

注)インバータは自己の能力として約10~15%の回生能力がありますが、ほとんどのケースでインバータの回生制動を行うためオプション機能のダイナミックブレーキを使用することになります。
特殊タイプで本格的な回生機能を搭載した物は、直流電源部に電源側に返還する回路を持ち、外部に抵抗器等の部品を取り付けることなく運転できるインバータも存在します。
連続した回生運転が必要なアプリケーションなどで使用されます。

では、回生制動はどのような制御を行っているのでしょうか?
回生制動が無い場合、発電した電力はモータからインバータに返還され、直流電源部に蓄積されることで直流電源部の電圧が上昇し始めます。
この電圧が一定以上に上昇するとインバータは、自己の保護のため「過電圧」を検出しトリップします。
「過電圧検出」は電源側の異常電圧だけでなく、このような場合も作動します。
また電圧上昇が急激な場合、「過電流検出」でトリップすることもあります。
回生制動の制御は、インバータの直流電源部に回生用回路(インバータ内蔵のトランジスタ回路又は回生制動ユニット)と電力消費用の抵抗器で構成された回路を接続し、直流電源部が規定の電圧以上になると、抵抗器に通電し返還された電力を熱として消費させることで直流電源部の電圧上昇を抑え、電気的な制動を行う制御です。
回生回路の制動力は、回生用回路に流す電流の大きさにより決まり回生電力量は抵抗の熱容量に決まりますので、回生運転の負荷特性により選定が必要です。
電気制動の特長は速度指令に沿い、速度コントロールを行うと同時にブレーキもかけられることです。
機械ブレーキのような軸を固定する機能には向きませんが回転(運転)している物には向いています。
電気的な回生ブレーキと機械式のブレーキを上手く組合わせることでアプリケーションは更に緻密な物となります。
回生制動を利用してアプリケーションを増やして下さい。

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