住友重機械工業株式会社 PTC事業部

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今回は皆さんからよくお問合せをいただきます「インバータによるモータの低速回転」がテーマです。

インバータ駆動でやはり一番気になることは、どこまで低速運転できるのか?という方も多いと思います。
一般には低速運転を行うためにとられる方法は多分この様なもではないですか?

前提としては「約1:10の変速と連続定トルク運転を行う」にします。


1.インバータモータ + センサレスベクトルインバータ

安定した定トルク運転ができる代表的な組み合わせです。インバータでの定トルク運転を前提に設計、考慮されており安心です!


2.汎用モータ + センサレスベクトルモータ

最近よく用いられる組み合わせです。低速域で連続運転トルクの制限を受ける場合があります。
また、400V級モータを標準のままで適用するとサージ電圧により焼損事故を起こす場合があります。
   
*モータにサージ電圧対策が必要となります。


3.汎用モータの容量を上げたモータ + センサレスベクトルインバータ(モータと同容量)

モータ容量とインバータを共に1サイズ上げるので動力容量とコストUPになります。


4.汎用モータを1枠(サイズ)上げたモータ + v/f インバータ

モータ容量とインバータを1サイズ上げるので動力容量とコストUPになります。
センサレスベクトルに比べインバータのトルクブースト調整が難しくなります。
V/Fインバータ主流の時代によく用いられた方法です。


5.インバータモータ + V/Fインバータを1ランクUP

こちらもV/Fインバータ主流の時代によく用いられた方です。
高始動トルク、低速域での高トルク運転を得るためインバータをUPしています。
V/F運転ですが、UPしているためブースと調整の許容度が大きくなります。
インバータモータを使用しているため400V級インバータへのサージ対策は安心です。

ざっと代表的な方法を上げましたが低速域を中心に最良アプリケーションを考えると1のパターンになり、この場合の定トルク(定格)運転での低速域は 6Hzになります。
 
皆さんの中にはもっと低速域での運転が欲しい方も多いと思います。
最近のセンサレスインバータには 1Hzから200%始動トルクが得られ、運転中の最大トルクは150%という数値をよく目にされると思います。
しかし、インバータモータでも 1Hzから定トルク運転を行おうとすると、実際にはモータがオーバヒートして運転は短時間(数分程度?)しか実用できません。
このような場合に適用するのが、軸流ファン付インバータモータです。
いわば扇風機付モータですが、低速域だけでなく、定格運転では意外に風きり音が静かというメリットもあります。
この場合の低速域は 約1Hzになりますが、センサレス運転の準備時にオートチューニングを行い、モータ定数のマッチングを確認してください。
またそこまでは不要だが・・・・・という方 

例)
3Hzで運転したい場合トルクを低減することで使用できますが、容量によりそのレベルが異なりますのでご照会ください。

センサレスインバータを前提にお話いたしましたが、V/Fインバータでは低速域でのモータスベリが発生しますので実質 6Hzが実用最低に考えるのが一般です。
特殊な例として、低速域を中心にブースト調整を行うと多少回転域を下げれれますが、最適な設定が必要となります。設定によってはモータの過励磁状態が生じたりモータのオーバヒート発生、起動時の過電流トリップが生じる場合があります。

非常に限定された使い方になり、メーカに照会が必要です。


◆ワンポイント◆

センサレスベクトルインバータが1Hzでも運転できるのは、スベリ周波数の補正が行われるためです。かなりラフな言い方ですが1Hzの定格トルク運転時は実際の運転周波数はベクトル演算され数Hzに相当する補正が加えられているためです。
V/Fインバータとは本質的に制御方法がことなります。
目的に合わせた最適のインバータとモータを選定しコストバランスとパフォーマンスを手に入れて下い。

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